明石縮(読み)アカシチヂミ

デジタル大辞泉 「明石縮」の意味・読み・例文・類語

あかし‐ちぢみ【石縮】

縮の絹織物。縦に生糸、横に右りの強い練り糸を用いた、女性の夏の高級着尺きじゃく地。寛文年間(1661~1673)堀次郎将俊まさとし明石次郎)が明石で始めたという。現在は、京都西陣・新潟十日町の産。

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精選版 日本国語大辞典 「明石縮」の意味・読み・例文・類語

あかし‐ちぢみ【明石縮】

  1. 〘 名詞 〙(たていと)に生糸、緯(よこいと)に右撚(よ)りの強い練り糸を用いて平織りとし、織り縮ませた高級な薄織物無地、縞、絣(かすり)などがあり、さらさらしている。女性の夏の高級着尺地。寛文年間(一六六一‐七三)、堀将俊(明石次郎)が創製したという。現在は、京都市西陣、新潟県十日町市の特産。あかし。
    1. [初出の実例]「明石縮夏をしぞ思ふ櫃がくれ〈口楽〉」(出典:俳諧・雑巾(1681)夏)

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百科事典マイペディア 「明石縮」の意味・わかりやすい解説

明石縮【あかしちぢみ】

略して明石。絹の(ちぢみ)織物の一種経糸(たていと)に生糸を,緯糸(よこいと)に明石緯と称する強撚(よ)りの精練糸を用いて平織にしたもの。薄地で軽く,夏の高級着物地とされる。江戸時代,明石の堀将俊が小千谷(おぢや)で越後縮を改良して作ったといわれる。西陣,小千谷で織られていたが,現在では見られない。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「明石縮」の意味・わかりやすい解説

明石縮
あかしちぢみ

単に明石ともいう。和服用絹織物の一種。撚 (よ) りをかけた生糸で織るが,特に緯糸を強くひねってあるのが特色。織物の感触がさらりとし,清涼感を伝える。女性用の高級夏物生地。寛文年間 (1661~73) に明石の人堀将俊が創始したというが,確かではない。京都府西陣,新潟県十日町などで生産された。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「明石縮」の解説

明石縮
あかしちじみ

歌舞伎浄瑠璃外題
初演
享保13.2(京・市山助五郎座)

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世界大百科事典(旧版)内の明石縮の言及

【縮】より

…絹縮は片しぼを絹縮といい,両しぼのものをちりめんと称して区別する。明石縮は江戸時代初期,播磨国明石でつくられ,その後,京都,小千谷でもつくられるようになり,昭和初期まで流行した。綿縮と麻縮は織り上げたのち,のり抜き,しぼ取り,幅出しの工程を行い,絹縮は白地の生機(きばた)を精練して幅出し,また染色加工する。…

※「明石縮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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