春秋の筆法(読み)シュンジュウノヒッポウ

デジタル大辞泉 「春秋の筆法」の意味・読み・例文・類語

しゅんじゅう‐の‐ひっぽう〔シユンジウ‐ヒツパフ〕【春秋の筆法】

《「春秋」の文章には、孔子正邪判断が加えられているところから》事実を述べるのに、価値判断を入れて書く書き方。特に、間接原因結果に直接結びつけて厳しく批判する仕方

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精選版 日本国語大辞典 「春秋の筆法」の意味・読み・例文・類語

しゅんじゅう【春秋】 の 筆法(ひっぽう)

  1. ( 「春秋」の文章には、孔子の歴史批判が示されているとされるところから ) 中国経書「春秋」のような批判的態度。とくに、間接の原因を直接の原因として表現する論理形式。
    1. [初出の実例]「春秋の筆法なら『抱月天渓を誅す』と書くべきである」(出典:抱月の偽自然主義(1910)〈片山孤村〉上)

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故事成語を知る辞典 「春秋の筆法」の解説

春秋の筆法

記録に残すことの意味を充分に考えて、公正な態度で事実を記録すること。転じて、間接的な原因にも重要な意味を認めて、あたかも直接的な原因であるかのように記述すること。

[使用例] 春秋の筆法で行けばアメリカ資本家が、田中内閣を倒したに違いないですが[細田民樹真理の春|1930]

[由来] 「史記―孔子せい」に述べられている、孔子が歴史書春秋」を編纂したときの態度から。「ひっすべきはすなわち筆し、削るべきは則ち削る(記録すべき事実はきちんと記録し、記録すべきでない事実は記録しない)」とあります。

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とっさの日本語便利帳 「春秋の筆法」の解説

春秋の筆法

孔子が『春秋』を修訂するにあたってとった歴史記述の手法。“春秋謹厳”といわれる記述の厳正さと共に、遠因であっても善悪・是非を暗に伝える記述をする、などの特色のこと。

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