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春秋繁露 しゅんじゅうはんろChun-qiu fan-lu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

春秋繁露
しゅんじゅうはんろ
Chun-qiu fan-lu

中国,漢代に著作された政治道徳などに関する論文集。 17巻 82編。前漢の学者董仲舒の著と伝えられているが,その書名が『隋書経籍志に初めて現れるので,偽作とみる学者が多い。『春秋』の記述について,『公羊伝』の立場から解説し,また陰陽五行説によって,政治,道徳の教訓を説いている。民俗の記述もある。董仲舒の自著ではないかもしれないが,その思想傾向を継ぐ者の編集であって,貴重な史料である。

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世界大百科事典 第2版の解説

しゅんじゅうばんろ【春秋繁露 Chūn qiū fán lù】

公羊学(くようがく)の立場から《春秋》の精神を解説敷衍した書。《春秋蕃露》とも書く。前漢の董仲舒の作。17巻82編。後世の偽作も含まれている。直接《春秋》を解説し,《公羊伝》を敷衍した部分のほか,広く儒教の学説を明らかにしたもの,上奏文や董氏の主張も含まれるが,その礼楽説,天人相関の理,陰陽災異説,政治経済観,とりわけ革命理論など,漢代の儒学を方向づけただけでなく,清代の春秋公羊学にも大きな影響をあたえた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

春秋繁露
しゅんじゅうはんろ

中国、前漢の董仲舒(とうちゅうじょ)の著。公羊学(くようがく)の立場から『春秋』の精神を解明した書。17巻82篇(へん)。書名は著者の命名でなく、82篇のなかに後世の偽作もある。『春秋』に託された理念を説いた部分のほか、広く儒教の意味を明らかにしたもの、上奏文と思われる篇も含む。君主権を強化し抑制する理論、徳を尊重し刑を肯定する主張、倫理学的に動機を重視するとともに結果主義を認め、また権を説くなど、注目すべき論理が多く、その礼楽(れいがく)説、天人相関の理論(天と人との対応の法則)、陰陽災異説の提起、政治経済観とりわけ革命理論、厳しい攘夷(じょうい)論、復讐(ふくしゅう)の強調など、漢代儒教を方向づけただけでなく、清(しん)朝末期の公羊学派にも大きな影響を与えた。[日原利国]

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世界大百科事典内の春秋繁露の言及

【天人相関説】より

…中国の思想上,天(自然)と人(人事)とには対応関係があるとする説。最初に組織的に論じたのは前漢の董仲舒(とうちゆうじよ)の《春秋繁露》である。それによると,人体に大節が12あるのは1年の月数に,小節366あるのは日数に相応し,五蔵は五行(ごぎよう)に,四肢があるのは四時の数に当たり,覚めまた眠るのは昼夜に等しい。…

※「春秋繁露」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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