無線通信において、中継局に割り当てられた周波数帯を周期的に繰り返す短い時間枠にくぎり、複数の利用者にいずれかの区間を専有させて電波を多元的に使用できるようにした接続方式。略してTDMAという。TDMA方式は、1984年(昭和59)ごろから通信衛星の中継器をいくつかの地球局が時間的に分割して供用する接続方式として使用され始めた。また、この方式は同じころから、デジタル化された携帯電話において中継局との接続方式としても利用され始めた。
TDMA方式では、通信衛星に割り当てられた固有の周波数帯域を、最初に一定時間長で繰り返すフレーム(TDMAフレーム)に分割する。次に、TDMAフレーム内を数十ないし数百の短いタイムスロット(小分割された時間の枠組み)に分割する。利用局の呼(こ)(呼出し)に応じて、何番目かのタイムスロットが固定的に割り当てられ相手の地球局と接続される。各地球局は利用者からの通報を割当て時間内に収まるように送出する。各地球局からの信号はTDMAフレームと等しい周期で繰り返す断続した信号なのである。この断続した信号をバーストとよぶ。このバーストはすべてデジタル信号であることが必要で、信号源がアナログであってもデジタル化されて送出される。TDMAフレームの先頭には復調用シンボル、ユニークワード(情報信号のなかには絶対に現れることのない配列の文字列)、局識別符号からなるプリアンブル(前置語)を置き、フレームの先頭がどのビット(デジタル符号の最小単位)から始まるかを確認してビットとフレームの同期をとる。このプリアンブルによりすべての利用局が同期を確立することができる。電波の変調型式は位相偏移変調(PSK=phase shift keying)方式で、衛星における電力と帯域の有効利用のために4相PSK方式(1回の変調で2ビット伝送する方式)が多く使用されている。TDMA方式は、携帯電話においても第2世代といわれる2000年(平成12)を目前とする時代に使用された接続方式である。回線の規模は中規模に増加したが、衛星通信と同様に利用局と中継局との間に確実な同期が必要である。技術的に精密さを必要とするが、この時期になると、集積回路技術も高度に発達し、安定化も小型化も進展していたためシステムの構築が達成され、新方式の携帯電話も爆発的な普及をみたのである。使用周波数帯は2000メガヘルツにも達し、フェージング(電波の受信状態が時間とともに急速に変化する現象)に対する耐性も改善されデータ伝送も可能である。
[石島 巖]
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