晏子春秋(読み)アンシシュンジュウ

デジタル大辞泉 「晏子春秋」の意味・読み・例文・類語

あんし‐しゅんじゅう〔‐シユンジウ〕【晏子春秋】

春秋時代せい宰相晏嬰言行録。8編。成立年未詳。後人が編集したもので、斉王との問答の形で墨家思想儒家思想をおりまぜた国家経営の構想を述べる。

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精選版 日本国語大辞典 「晏子春秋」の意味・読み・例文・類語

あんし‐しゅんじゅう‥シュンジウ【晏子春秋】

  1. 中国、春秋時代の斉の宰相、晏嬰(あんえい)言行録。単に「晏子」ともいう。全八編で、斉の景公、孔子などにも影響を与えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「晏子春秋」の意味・わかりやすい解説

晏子春秋
あんししゅんじゅう

中国、春秋時代、斉(せい)の霊公、荘公、景公の3代に仕えた宰相晏嬰(あんえい)の言行を集録した書。『漢書(かんじょ)』の「芸文志」の諸子略の儒家類には単に『晏子』と称する。中唐の文人、柳宗元(りゅうそうげん)がこの書を斉国在住の墨翟(ぼくてき)の徒の作とみなして以後、書目によっては墨家類に列する。なお、『四庫全書総目提要』ではこれを史部伝記類に収める。現行本が司馬遷(しばせん)、劉向(りゅうきょう)、班固(はんこ)などがみた書と同一物であるか、それとも後人の編纂(へんさん)物であるか、判然としない。現行本は内篇(ないへん)と外篇とに二分され、前者は諫(かん)上下、問上下、雑上下の6篇、後者は上下の2篇からなる。内容的には、もっぱら治政の要諦(ようてい)としての勤倹力行が説かれているが、各篇相互に同工異曲の問答、説話を数多くみいだすことができる。資料的には格言や説話の宝庫として活用できよう。注解としては呉則虞(ごそくぐ)『晏子春秋集釈』が優れている。

[伊東倫厚]

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改訂新版 世界大百科事典 「晏子春秋」の意味・わかりやすい解説

晏子春秋 (あんししゅんじゅう)
Yàn zǐ chūn qiū

中国の春秋時代,斉の名宰相であった晏嬰(あんえい)の言行を集録した書。8編で200章以上の説話がある。成立年代は異説が多いが,春秋期のものでないことは確実。ほぼ戦国期の斉(前386-前221)の地で晏嬰の名に託して編成されたものである。内容は《戦国策》など他書と合うものが多く,儒家の仁政や墨家の兼愛と倹約の思想をとりいれている。事実の記録であるより歴史小説的なふくらみが強い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「晏子春秋」の意味・わかりやすい解説

晏子春秋
あんししゅんじゅう
Yan-zi chun-qiu

中国,春秋時代の斉の名宰相,晏嬰 (あんえい) の言行を後人が編集した書。『晏子』ともいう。編者未詳。8巻。儒教のほか,墨家的思想も含む。

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