暗む(読み)クラム

デジタル大辞泉 「暗む」の意味・読み・例文・類語

くら・む【暗む/×眩む/×晦む】

[動マ五(四)]
暗くなる。
「刻一刻と―・んで行くなかに」〈里見弴・今年竹〉
(「目がくらむ」の形で)
㋐強い光を受けて、一時的に目が見えなくなる。「照明に目が―・む」
㋑過度の刺激を受けたり、疲労から、目が回る。めまいがする。「目も―・むような断崖」「高熱で目が―・む」
㋒ある物事に心を奪われて、よしあしの判断ができなくなる。「金に目が―・む」
[動マ下二]暗くする。また、くらます。隠す。
「その郎等を召すに、跡を―・めて失せぬ」〈著聞集一六
[類語]まぶしいまばゆい目眩く

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精選版 日本国語大辞典 「暗む」の意味・読み・例文・類語

くら・む【暗・眩】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 暗くなる。
      1. [初出の実例]「Curami, u, ôda(クラム)〈訳〉暗くなる」(出典日葡辞書(1603‐04))
    2. ( 「目がくらむ」の形で ) めまいがする。目先が暗くなる。見えなくなる。
      1. [初出の実例]「吉備目暗て、凡見此書字不見」(出典:江談抄(1111頃)三)
    3. 理性を失う。好し悪しの判断力を失う。→心くらむ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
      1. [初出の実例]「色も嫉妬にまよひの煙、くらむ眼に涙の霰はらはらはら」(出典:浄瑠璃・井筒業平河内通(1720)四)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 暗くする。また、わからないようにする。
    1. [初出の実例]「郎等を召すに、跡をくらめて失せぬ」(出典:元祿版古今著聞集(1254)一六)
  3. [ 3 ] 〘 他動詞 マ行四段活用 〙 [ 二 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「切たるもの某とたしかにきこしめして、其郎等を召に、跡をくらみて失ぬ」(出典:十訓抄(1252)四)

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