更生保護施設(読み)コウセイホゴシセツ

デジタル大辞泉 「更生保護施設」の意味・読み・例文・類語

こうせいほご‐しせつ〔カウセイホゴ‐〕【更生保護施設】

刑務所などの矯正施設から釈放された人や保護観察中の人で、住む家がない、更生が妨げられるおそれがある、などの理由から、直ちに自立更生することが困難な人に対し、法務大臣認可を受けて、一定期間、宿泊場所や食事を提供する民間施設

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「更生保護施設」の解説

更生保護施設

更生保護事業法に基づき国の認可を受け、身寄りのない出所者らを原則最長6カ月まで一時的に保護する。全国に103カ所あり、住居や食事を提供する他、協力企業などと連携した就職支援、薬物やアルコール依存者へのプログラム実施。金銭管理など生活指導もする。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「更生保護施設」の意味・わかりやすい解説

更生保護施設
こうせいほごしせつ

刑務所から釈放された人や少年院を出院した人、執行猶予判決を受けた保護観察中の人のうち、帰る家がない人を対象に、一時的に宿泊場所や食事を提供し、自立を支援する民間の施設。法務大臣の認可を受けた更生保護法人が運営する。運営費は国から施設への委託費でまかなわれる。利用者は所持金や収入の状況に応じて滞在費を支払うことが原則だが、無料で宿泊や食事の支給を受けながら仕事で得た収入を自立のために当てることができる。入所期間は人によって異なるが、平均2~3か月程度である。施設には生活指導を行う専門の職員が在籍しているほか、アルコール中毒薬物依存から抜け出す教育プログラムを実施する施設もある。とくに薬物犯罪者は再犯率が高いため、法務省では一部の施設に臨床心理士社会福祉士を配置し、出所後の生活支援の充実に取り組んでいる。また、高齢者や障害者などでとくに自立困難な人に対しては、福祉施設などへの移行を円滑にする取り組みも行われる。2013年(平成25)3月時点で全国に104施設がある。

 同様の自立支援を行う施設には、保護観察所に登録したNPO法人や社会福祉法人などが運営する自立準備ホームがある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini 「更生保護施設」の解説

更生保護施設

刑務所や少年院を出た人、執行猶予中の人などのうち、社会生活がうまく営めず、かつ家族や公的機関などからの援助を受けられない人を、一定期間保護する民間の施設。1888年、静岡の実業家・金原明善が初めて作った。更生保護施設では、生活基盤(食事、宿泊場所など)の提供をはじめ、円滑な社会復帰・自立に向けた指導や援助、入所者の問題特性に応じた専門的な処遇などを行う。2012年現在、刑務所の出所者のうち6分の1、その他を含め年間1万人程度が同施設で保護を受けている。全国に男子施設90カ所、女子施設7カ所、男女施設7カ所あり(11年1月1日現在)、すべて民間団体である更生保護法人、社会福祉法人、NPO法人、社団法人によって運営されている。

(2013-7-3)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android