社会福祉士(読み)しゃかいふくしし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

社会福祉士
しゃかいふくしし

専門的な知識や技術をもち,身体上・精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障がある人の福祉に関する相談に応じて,助言指導援助を行なう人。国家資格をもつソーシャルワーカーで,社会福祉士及び介護福祉士法に基づいた資格職。社会福祉士になるには,厚生労働大臣が行なう国家試験に合格する必要がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

知恵蔵の解説

社会福祉士

社会福祉分野の国家資格に関する法律として1987年に社会福祉士及び介護福祉士法が、10年後の97年に精神保健福祉士法が制定された。社会福祉士は高齢者障害者・児童などすべての領域を対象とした相談援助の福祉専門職で、そのうち精神障害者の保健福祉に特化した専門職として精神保健福祉士が設定されている。介護福祉士は高齢者・障害者の入浴・排泄・食事など直接的な介護と、高齢者・障害者本人及び家族等の介護者を対象とした介護指導を業とする福祉専門職である。いずれも名称独占の国家資格。医師・看護師のように業務独占ではないが、精神保健福祉士は診療報酬点数上の扱いや関連施設への法的配置基準の進展で、社会福祉士に比較すると資格と業務内容が直結する傾向にある。介護福祉士は国家試験合格以外に養成校の卒業で資格取得ができるが、他の2資格は認定を受けた福祉系学部などで受験資格を得た上で、国家試験に合格しなければならない。

(中谷茂一 聖学院大学助教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

社会福祉士

身体や精神に障害がある人、日常生活に支援が必要な人らの相談に応じ、福祉の専門的な支援をする国家資格者。昨年12月現在で、全国で約19万人の登録がある。日本社会福祉士会には約3万9千人が入会し、福祉施設や病院の相談室などで活動している。

(2016-02-22 朝日新聞 夕刊 1総合)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

デジタル大辞泉の解説

しゃかいふくし‐し〔シヤクワイフクシ‐〕【社会福祉士】

昭和62年(1987)に成立した「社会福祉士及び介護福祉士法」による国家資格。身体的・精神的な障害などのため日常生活に支障がある人に関する相談に応じ、援助を行う。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

しゃかいふくしし【社会福祉士】

心身の障害や環境上の理由で日常生活に支障のある者の福祉に関する相談を受け、助言・指導を行う専門職。社会福祉士及び介護福祉士法に基づく国家資格。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

社会福祉士
しゃかいふくしし

社会福祉分野で働く者に関する国家資格。1987年5月成立の「社会福祉士及び介護福祉士法」(昭和62年法律第30号、1988年4月施行)で定められた。厚生省(現厚生労働省)は、「民間企業活動であるシルバーサービス」に要請される「一定の倫理とサービス水準の確保」を「担保するものとして、これに従事する者の資格を公正な形で確保するための資格制度の導入が不可欠」として、同法の狙(ねら)いを説明した。2007年(平成19)の法改正により、(1)定義規定、(2)義務規定、(3)資格取得方法について見直しが行われた。
 毎年1回厚生労働大臣が行う社会福祉士試験(国家試験)に合格し、社会福祉士登録簿に登録した者は、社会福祉士と称することができる。社会福祉士は専門的知識・技術をもって身体上や精神上の障害または環境上の理由で日常生活に支障がある人の福祉に関する相談、助言、指導、福祉サービス提供者または医師その他の保健医療サービス提供者等との連絡および調整、その他の援助を行うことを業とする者をいう(2条1項)。この登録をしていない者は社会福祉士と称することはできない(名称独占)が、医師、看護師、弁護士などのような業務独占ではない。なお社会福祉士試験受験資格は、本法で細かく規定され(福祉系4年制大学卒業、社会福祉士養成施設卒業など)、福祉系大学ですら厚生労働大臣指定の科目の履修者であることが要求されている。社会福祉士は、社会福祉施設、社会福祉協議会、病院、地域包括支援センター、福祉事務所等の行政機関で相談業務につくほか、独立型社会福祉士事務所を開設する場合もある。
 国家試験受験者数は4万2882人、うち合格者数は1万1282人である(2011年度第24回試験)。2011年3月末時点での社会福祉士登録者は13万8694人である。多様化、高度化する福祉ニーズに対応すべく、社会福祉士は質、量ともにその充実が求められているが、そのためには社会福祉士の労働環境整備、資格取得後のキャリアアップの仕組みづくりが必要である。[小川政亮・矢嶋里絵]
『21世紀の福祉専門職を考える会編『社会福祉士をすべての保健・医療・福祉機関に!』(1997・日本地域社会研究所) ▽社団法人日本社会福祉士会著『社会福祉士国家試験模範解説書』(1999・筒井書房) ▽ヴィットインターナショナル著『福祉にかかわる仕事』(1999・ほるぷ出版) ▽秋山智久著『社会福祉実践論――方法原理・専門職・価値観』(2000・ミネルヴァ書房) ▽岡田明・宮本文雄・中山哲志編『福祉心理学――援助を必要とする人のために』(2002・ブレーン出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

事実婚

内縁と同様,法律上の婚姻成立要件を欠くカップルの関係。内縁との違いは,当該男女が,現行の婚姻制度に対しなんらかの疑問をもち,積極的・自発的に法律婚を選択しないという点にある。たとえば,今日の法律婚は女...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

社会福祉士の関連情報