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薬物依存 やくぶついぞんdrug dependence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

薬物依存
やくぶついぞん
drug dependence

ある種の向精神作用のある化学物質を,抑制することの困難な欲求のために,継続してあるいは周期的に使用すること。この概念は 1960年代後半から用いられはじめ,それ以前は薬物嗜癖 drug addictionという概念が用いられていた。嗜癖とは,ある薬物を使用しているうちに増量しないと効果を得られなくなる薬物耐性と,その使用を中止したときに禁断症状が現れることを指標にした概念である。しかし,耐性や禁断症状がなくてもその薬物の使用を抑制することが困難になる場合が少くないので,今日では,上記の定義で薬物依存という語を用いることになった。依存の対象となる薬物で代表的なものは,モルヒネと飲料アルコールである。

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デジタル大辞泉の解説

やくぶつ‐いそん【薬物依存】

麻薬覚醒剤アルコールなどの連用の結果、その薬物なしには平常の状態を保持できなくなること。嗜癖(しへき)を生じて習慣となり、やめることができない精神的依存と、増量しないと効き目が出なくなる耐性を生じ、やめると禁断症状が現れる身体的依存とがある。→薬物依存症

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世界大百科事典 第2版の解説

やくぶついぞん【薬物依存 drug dependence】

薬物の反復摂取の結果として,その薬物の摂取がやめられなくなる状態で,精神的に薬物摂取の継続を渇望する状態を精神的依存psychic dependence,また,薬物摂取をやめると,種々の身体的異常,すなわち退薬症状(禁断症状)がでてくるような状態を身体的依存physical dependenceとよぶ。これらの依存,とくに身体的依存には,しだいに薬物の用量をふやさないと初めと同じ薬効が得られなくなる,いわゆる耐性toleranceが伴う。

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大辞林 第三版の解説

やくぶついそん【薬物依存】

ある薬物を抑えがたい欲求により持続的あるいは周期的に摂取する状態。コーヒー・タバコの嗜好などの精神的依存と、モルヒネ・大麻などのその使用を中止すると禁断症状を呈する身体的依存とがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

薬物依存
やくぶついぞん
drug dependence

特定の薬物を常用している結果として習慣性、嗜癖(しへき)性を生ずるものを一括して依存性薬物といい、それらによっておこる精神的、身体的変化に伴う障害を薬物依存とよんでいる。
 薬物依存には、〔1〕薬物の効果を欲求して摂取を抑えきれなくなる強迫的欲求を示す精神依存と、〔2〕薬物を摂取しなければ身体が正常に機能せず、薬物を中断すると離脱症状(禁断症状)が出現する身体依存、および〔3〕薬物の用量をしだいに増やさないと初めと同じ薬効が得られなくなる耐性を生ずる、といった三徴候がある。
 依存性薬物は、この三徴候の現れ方によって次のような種類に分けられる。〔1〕三徴候とも強度に現れるモルヒネ型(ヘロイン、コデイン、ペチジンなど)、〔2〕身体依存が強度で精神依存と耐性は中等度であるアルコール・バルビツール酸型(アルコール飲料、バルビツール酸系睡眠薬、抗不安薬など)、〔3〕精神依存だけが強度なコカイン型(コカイン)、〔4〕精神依存と耐性が強度なアンフェタミン型(アンフェタミン、ヒロポンなど)、〔5〕軽度の精神依存と耐性を示す大麻(たいま)型(マリファナなど)、〔6〕中等度の耐性と軽度の精神依存を示す幻覚発現型(LSD、メスカリンなど)、〔7〕軽度の精神依存を示す有機溶剤型(トルエン、アセトン、四塩化炭素など)などがある。これらのうち、モルヒネ型、コカイン型、大麻型の3種は国際的に麻薬とされており、3種のどれかを含む生薬(しょうやく)も麻薬に含まれる。日本では法律的には大麻とアヘンは麻薬とは別に扱われているが、行政的にはいずれも麻薬と同様に扱われる。なお、もっとも一般的なものはアルコール依存症である。[加藤伸勝]

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