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呼気流による声帯振動によって生じる「声」を伴う言語音。無声音に対する。多くの言語で母音・鼻音は有声音であり、それと音韻的に対立する(異なる音として識別される)無声音をもたない。たとえば、東京方言の[kʃi](岸)において、話者・聴者はこの二つの母音を同じ「イ」と認識し、普通は最初の母音が無声音であることにすら気づかない。呼気流が口腔(こうこう)の一部の閉鎖により一時的に保持され、続いて閉鎖の開放が行われる閉鎖音・破擦音では、声の開始時点が閉鎖の開放に先行するものが有声音である(たとえば日本語のガ・ザ・ダ・バ行音)。有声音であるかどうかは、発音の際に指でのどぼとけに触れることにより、簡単に判別できる。
[山田 進]
…これが鼻音である。(4)声門において(a)二つの声帯が固く接触すれば声門閉鎖音[ʔ]となり,(b)声帯の接触がゆるければ,肺から流出する空気に声帯が押し上げられて振動し,ここに〈こえ〉が発生して有声音となる。(c)両方の声帯が接近すれば摩擦が生じ声門摩擦音[h]となる。…
※「有声音」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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