有賀鉄太郎(読み)アリガ テツタロウ

20世紀日本人名事典 「有賀鉄太郎」の解説

有賀 鉄太郎
アリガ テツタロウ

昭和期のプロテスタント神学者,教会史・教理史学者



生年
明治32(1899)年4月1日

没年
昭和52(1977)年5月25日

出生地
大阪

学歴〔年〕
同志社大学神学部〔大正11年〕卒

学位〔年〕
文学博士

経歴
少年時代に入信、大正11年渡米、シカゴ大、ユニオン神学校で教会史、教理史を学んだ。帰国後母校同志社大学文学部専任講師、昭和5年教授。10年ユニオン神学校に再留学、神学博士となり、21年「オリゲネス研究」で京大から文学博士号を受け、22年同志社大学神学部初代学部長、23年から京都大学文学部教授、35年文学部長となった。37年定年退官し、京大名誉教授に。のち、神戸松蔭女子短大学長、神戸女学院院長を務めた。その間、田中同胞会牧師として伝道、また交換教授として北京、イタリア訪問。日本友和会の育成やエバンストン世界会議、バチカン公会議などに出席、世界教会運動尽力。国内でも日本キリスト教創設に尽くし、その理事、理事長を務めた。著書に「ヘブル書」「基督教思想における存在論問題」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「有賀鉄太郎」の意味・わかりやすい解説

有賀鉄太郎 (ありがてつたろう)
生没年:1899-1977(明治32-昭和52)

キリスト教思想史家。大阪に生まれ,同志社大学,ニューヨーク・ユニオン神学校などに学ぶ。1926-48年同志社大学神学部で教え,48-62年京都大学教授。主著《オリゲネス研究》(1943),《キリスト教思想における存在論の問題》(1969)。キリスト教思想における存在論(オントロギア)をヘブライ思想にさかのぼって論じ,ヘブライ語のハーヤー(存在と生成を含む動詞)にもとづき〈ハヤトロギア〉と規定した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有賀鉄太郎」の意味・わかりやすい解説

有賀鉄太郎
ありがてつたろう

[生]1899.4.1. 大阪
[没]1977.5.25. 京都
プロテスタント神学者。東京府立一中を卒業 (1916) 後,同志社大学神学部に進んだ。中学時代人生問題に悩み,キリスト教に入信。 1922年,卒業と同時にアメリカに留学,シカゴ大学,ユニオン神学校に学んだ。帰国後母校講師,教授となる。その間ユニオン神学校より神学博士号を授与された。教会史,教理史を専攻。第2次世界大戦後京都大学教授。主著『オリゲネス研究』 (43) ,『キリスト教思想における存在論の問題』 (69) 。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「有賀鉄太郎」の解説

有賀鉄太郎 ありが-てつたろう

1899-1977 昭和時代の神学者,キリスト教史家。
明治32年4月1日生まれ。アメリカのユニオン神学校に留学後,昭和5年母校同志社大の教授となる。23年京大教授。のち神戸女学院院長。世界教会運動や日本キリスト教学会の創設につくした。昭和52年5月25日死去。78歳。大阪出身。著作に「ヘブル書」「オリゲネス研究」など。

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