熊本名物の求肥(ぎゅうひ)飴。一般には加藤清正がこの飴の製法を朝鮮から伝えたとされてきたが、実際は長生飴といい、天正(てんしょう)年間(1573~1592)の熊本城築城以前から熊本でつくられていた。豊臣(とよとみ)秀吉の朝鮮出兵で、清正が蔚山(うるさん)に籠城(ろうじょう)したとき、長生飴が将兵の糧食にあてられ、籠城を記念して帰国後に朝鮮飴といわれるようになった。製法は、糯米(もちごめ)をつき砕いて釜(かま)に入れ、糊(のり)状に練って水飴、黒糖を混ぜ、さらに5時間ほど練り、型に入れて固める。清正は家臣甲斐宗連(かいむねつら)に朝鮮飴の製法管理をゆだねていたが、加藤家断絶後は細川藩もこの飴を将軍家への献上菓とした。甲斐家から仕法を譲られた山城屋は、江戸中期からの朝鮮飴本家であるが、その後廃業。
[沢 史生]
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報
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