木筆(読み)ボクヒツ

デジタル大辞泉 「木筆」の意味・読み・例文・類語

ぼく‐ひつ【木筆】

へら状の木の先端を細く割って筆としたもの。また、焼き筆のこと。もくひつ。
読書のとき、文章中の文字をさし示すのに用いる道具。字指し。もくひつ。
鉛筆異称

もく‐ひつ【木筆】

ぼくひつ(木筆)
コブシ古名。〈元和本下学集〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「木筆」の意味・読み・例文・類語

ぼく‐ひつ【木筆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 木を筆として用いたもの。木の先端を砕いて墨汁をふくませて筆としたもの。また、柳などの枝先を焼いてものを書くのに用いたもの。焼筆(やきふで)。もくひつ。
    1. [初出の実例]「高野老僧以木筆墨絵」(出典明月記‐安貞元年(1227)四月五日)
    2. [その他の文献]〔東観余論‐法帖刊誤下・論飛白法〕
  3. 読書の際、書中の文字をさすのに用いる木・竹製または金属製の具。字指(じさし)
    1. [初出の実例]「経橈 〈略〉本邦官家に用給ふ木筆と云ものあり、是じつき也」(出典:随筆・雅遊漫録(1755)二)
  4. 鉛筆の異称。

もく‐ひつ【木筆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ぼくひつ(木筆)
  3. ぼくひつ(木筆)
  4. 鉛筆の異称。ぼくひつ。
  5. 植物こぶし(辛夷)」の異名。〔文明本節用集(室町中)〕 〔本草綱目木部辛夷釈名

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の木筆の言及

【鉛筆】より

…やがて石筆は蠟石の筆記具をさすようになる。商品としての鉛筆は1877年ころにドイツから輸入されており,木筆(元来は先端を焼いて書けるようにした木の棒)と称されて唐物屋の店頭に陳列されたという。明治40年代には三越呉服店が積極的に輸入,宣伝し,新しもの好きの人々に喜ばれた。…

※「木筆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android