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揚水発電 ようすいはつでん pumping-up power generation

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

揚水発電
ようすいはつでん
pumping-up power generation

水力発電の一方式。発電所の上下に貯水池を設け,深夜または豊水期の余剰電力でポンプを動かし,下の池の水を上の池へ汲上げておき,昼間や渇水期の電力需要ピーク時に放水して発電する仕組み。電力は貯蔵できないので,水のポテンシャルエネルギーに変えて貯蔵するわけである。

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知恵蔵2015の解説

揚水発電

余剰電力を用いて、下の池から上の池に水を汲み上げておき、必要時に落下させ、発電するエネルギー貯蔵法。貯蔵能力は汲み上げる高低差と水量の積で決まる。ポンプ水車と発電電動機を持ち、汲み上げ時には電動機とし、発電時には発電機として使用する。容量は1基で30万kW級まである。汲み上げ時から発電までの総合利用効率は約70%。

(槌屋治紀 システム技術研究所所長 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

揚水発電

発電所の上部と下部にダムを持ち、電力需要が少ない深夜に余る電力で上部のダムに水をポンプでくみ上げ、昼間にその水を下部のダムに落として発電する水力発電。発電量はくみ上げに使った電力の7割程度にとどまるが、大きな「蓄電装置」として、昼間のピーク需要を機動的にまかなうことができる。

(2011-10-21 朝日新聞 朝刊 2経済)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

ようすい‐はつでん〔ヤウスイ‐〕【揚水発電】

揚水式発電

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

揚水発電
ようすいはつでん

深夜あるいは週末などの軽負荷時に下部貯水池の貯留水をポンプによって揚水して上部貯水池に貯水しておき、重負荷(ピーク負荷)時に上部貯水池の水を放水して水車によって発電する方式をいう。揚水発電所は普通の水力発電設備のほかに揚水設備を備えている。上部貯水池は軽負荷時に火力・原子力発電所で発生した電気エネルギーを一時的に水の位置エネルギーとして貯蔵する池である。したがって揚水発電所は、火力・原子力発電所のエネルギーをピーク負荷時に電気エネルギーに再変換する電気の貯蔵所ともいえる。
 揚水発電の形式は河川の自然流量(自流)の有無によって純揚水式と混合揚水式に分けられる。また、貯水池容量の大小によって日間調整式、週間調整式、年間調整式に分けられる。さらに水車、ポンプおよび発電機、電動機の結合方式によって、別置式、タンデム式およびポンプ水車式に分類できる。[道上 勉・嶋田隆一]

自流の有無による分類

純揚水式は、上部貯水池に河川の流入がほとんどなく、発電力は下部貯水池から揚水した水だけに依存する方式で、玉原(たんばら)(群馬県)、奥多々良木(おくたたらぎ)(兵庫県)、大平(おおひら)(熊本県)などの発電所がこのタイプに属する。混合揚水式は、上部貯水池に河川の水の流入があり、発電に使用する水は下部貯水池から揚水した水のほかに、自流をあわせて利用する方式で、新豊根(しんとよね)(愛知県)、新冠(にいかっぷ)(北海道)、新高瀬川(長野県)などの発電所がこのタイプに属する。[道上 勉・嶋田隆一]

貯水池容量による分類

日間調整式は、1日のうち夜間の軽負荷時に揚水し、昼間の重負荷時に発電するもので、貯水池容量が発電所の最大出力換算で6~7時間以下のものをいう。週間調整式は、日間調整式よりも若干貯水池容量が大きく、日間調整を行うほか、週末・祭日などの軽負荷時にも揚水し、負荷の週間変動に対する調整を行う。貯水池容量は最大出力換算で6~12時間程度のものが多い。年間調整式は、上部貯水池に天然湖などを利用した大容量の貯水池をもつもので、豊水期の余剰電力を利用して揚水し、渇水期にこの水を使用して発電する方式のものをいう。1985年(昭和60)以降に建設されている揚水発電所は、ほとんどが日間調整式と週間調整式のものである。原子力発電は一定の負荷で運転するために、その3分の1の揚水発電所があれば、電力設備の効率的運用ができるといわれている。世界最大規模(2820メガワット)となる純揚水発電所として、長野県と群馬県の県境に建設中の東京電力神流川(かんながわ)発電所は、上部ダムと下部ダムとの653メートルの有効落差を利用して世界的な記録と特長をもつ。最終的に最大出力482メガワットの世界最大単機容量のポンプ水車を6機建設予定で、2012年(平成24)6月には2機が運転開始した。揚水発電所は環境や景観を守るために発電設備をすべて地下式にしている。[道上 勉・嶋田隆一]

可変速揚水技術

夜間一定負荷運転の原子力発電が主になると、負荷変動に対する周波数の変動を調整する能力が減少するため、負荷である揚水ポンプの出力を調整して周波数を調整する必要が出てきた。揚水ポンプの出力を変えるには電動機の回転スピードを変えなくてはならず可変速電動機が必要である。また、タービンではポンプとしての効率が最大の回転スピードと水車としての最大の効率の回転スピードが、負荷によって若干異なる。そこで回転スピードを加減できる可変速発電電動機が必要になった。可変速同期発電機ともよばれるこの発電機は同期速度との差を、差の周波数で回転する交流界磁で調整する。半導体インバーターで駆動される界磁電源で発電機から電動機へと負荷に応じて回転スピードを調整することでつねに最大効率運転する。この可変速揚水技術は日本で開発された純国産技術である。関西電力大河内(おおかわち)4号機は1993年(平成5)に完成した世界初の本格的可変速揚水発電システムで、大容量400メガワットが稼働している。[嶋田隆一]

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