本色(読み)ホンショク

デジタル大辞泉 「本色」の意味・読み・例文・類語

ほん‐しょく【本色】

本来の色。もとの色。
本来の性質本領
「益もなき虚飾に時を費すは学生の―に非ず」〈福沢福翁自伝

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「本色」の意味・読み・例文・類語

ほん‐しき【本色】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「色」は種類の意 ) 本来の種類。
  2. (イ) 本来の身分
    1. [初出の実例]「或本主亡者、不予選皆還本色」(出典:続日本紀‐和銅四年(711)五月辛亥)
  3. (ロ) 本来の職種
    1. [初出の実例]「若其庶子雖位記、皆追還本色」(出典:続日本紀‐和銅元年(708)四月癸酉)
  4. (ハ) 年貢などの、本来の品目数量
    1. [初出の実例]「本色御年貢六丈布佰端之外、可進伍拾端之状」(出典:高野山文書‐嘉応元年(1169)一一月二三日・後白河院々庁下文)
  5. (ニ) 本来あるべき姿。また、本来の姿。
    1. [初出の実例]「今時去仏益遠、人無本色」(出典:空華日用工夫略集‐応安二年(1369)一二月一四日)

ほん‐しょく【本色】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 本来の色。もとの色。固有の色。〔文心雕龍通変
  3. 本来の性質。生まれつきの性質。もちまえ。本領。本質
    1. [初出の実例]「単丁住菴本色之士也」(出典:翰林葫蘆集(1518頃)九)
    2. [その他の文献]〔新唐書‐柳仲郢伝〕
  4. ほんしき(本色)

もと‐いろ【本色】

  1. 〘 名詞 〙 本来の色。固有の色。
    1. [初出の実例]「世の中に久しきものは雪の中にもといろかへぬ松にぞありける」(出典:貫之集(945頃)三)

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普及版 字通 「本色」の読み・字形・画数・意味

【本色】ほんしよく

本来の色。本来のありかた。〔後山詩話〕之(韓)はを以て詩を爲(つく)り、子瞻(しせん)(軾)は詩を以て詞を爲る。坊の雷大師のの如し。天下の工を極むと雖も、は本色に非ず。

字通「本」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の本色の言及

【折納】より

…中国の税制用語。税法上に本来納付すべきものと指定されている銭物を本色(ほんしき)といい,本色に代えて納めるものを折色(せつしき)という。折は換算,換算交換を意味する。…

※「本色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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