李勣(読み)りせき(英語表記)Lǐ Jī

改訂新版 世界大百科事典 「李勣」の意味・わかりやすい解説

李勣 (りせき)
Lǐ Jī
生没年:?-669

中国,唐初の武将。字は懋功ぼうこう)。曹州離狐(山東省単県)の人。もとの姓名徐世勣。隋末の群雄李密の部下で,唐に帰順して李姓を賜り,太宗李世民の諱(いみな)を避けて李勣と称した。太宗の下で国内の武力統一に活躍した後,先輩の武将李靖と共に東突厥(とつくつ)を,ついで薛延陀せつえんだ)を破った。太宗の高句麗親征に従事し,次の高宗朝の668年(総章1)に滅亡させた。李靖ともども〈凌煙閣二十四功臣〉の名将として描かれた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李勣」の意味・わかりやすい解説

李勣
りせき
Li Ji; Li Chi

[生]開皇14(594)
[没]総章2(669).12.3.
中国,唐初の名将。曹州離狐 (山東省単県付近) の人。本名は徐世勣。字は懋 (ぼう) 功。諡は貞武。もと隋末の群雄李密の部下。唐に下り李姓を賜わり,太宗の諱 (いみな) を避け李勣と称した。群雄竇建徳 (とうけんとく) ,王世充らの平定に功があった。貞観4 (630) 年李靖とともに東突厥本拠を討ち大勝し,のち北辺の薛延陀 (せつえんだ) を破った。晩年は太宗の親征に従って高句麗の遠征に従事し,数回失敗したのち,高宗の総章1 (668) 年ついにこれを滅ぼし,唐の勢力を朝鮮半島に広げた。李靖と並ぶ名将として太宗に親任された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「李勣」の意味・わかりやすい解説

李勣
りせき
(?―669)

中国、唐代の武将。曹州離狐(そうしゅうりこ)(山東省)の人。本姓は徐氏。高祖李淵(りえん)に李姓を賜った。本名も世勣であるが、太宗の名、世民を避けて世字をとった。豪族の家に生まれ、隋(ずい)末群盗に身を投じたが、のち唐に降(くだ)り、太宗に登用され、河北河南の統一に功があった。李靖(りせい)とともに突厥(とっけつ)を破った。また、ゴビ砂漠を越えて薛延陀(せつえんだ)を平定したので、唐は空前の大帝国となった。太宗の次の高宗朝では宰相となり、高句麗(こうくり)遠征には首都平壌を陥れた。

谷川道雄

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旺文社世界史事典 三訂版 「李勣」の解説

李 勣
りせき

?〜669
唐の名将
隋末期の群雄李密の部下で,唐に帰順し,国内統一に尽くした。太宗の即位以後は,李靖とともに東突厥 (とつけつ) などの経略を行った。668年高宗のときに高句麗 (こうくり) を滅ぼし,半島に勢力を広げた。

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