日本大百科全書(ニッポニカ) 「村田製作所」の意味・わかりやすい解説
村田製作所(株)
むらたせいさくしょ
電子部品メーカーの大手。1944年(昭和19)京都で村田製作所として創業、50年(昭和25)に株式会社となり、ラジオのセラミックコンデンサーを中心に生産を拡大した。その後、テレビ普及を背景に事業を伸張、1962年の滋賀・八日市(ようかいち)工場建設で、セラミック材料の開発から電子部品生産までの一貫体制を確立した。1970年代後半以降は、民生用や産業用の電子機器向けの生産が拡大し、独自の新製品を開発して、セラミックをベースとした電子部品メーカーとしての地歩を築いた。北陸や山陰に生産子会社を次々に設立して部品の専門量産体制を強化し、海外でも1972年以降、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの各地に生産販売拠点を拡大していった。研究開発とマーケティングを本社・事業所に集中し、製造は内外の生産子会社で行う方式を進めている。資本金694億円(2008)、売上高5309億円(2008)。
[中村青志]
『村田製作所50年史編纂委員会編『不思議な石ころの半世紀――村田製作所50年史』(1995・村田製作所)』