東光寺村(読み)とうこうじむら

日本歴史地名大系 「東光寺村」の解説

東光寺村
とうこうじむら

[現在地名]甲府市東光寺町・東光寺一―三丁目・城東じようとう一丁目・同三丁目・同五丁目

東流するふじ川を挟んで甲府城下上一条かみいちじよう町・和田平わだびら町の北にあり、東は南流する高倉たかくら川を隔て板垣いたがき村。北に夢見ゆめみ山、西に愛宕あたご山がある。当地一帯は古くは板垣郷に含まれ、西板垣村とも称した(文化四年「品々書上帳」西山梨郡志)。東光寺の由緒書(寺記)も寺の所在地を西板垣村とし、天正一〇年(一五八二)に寺が織田信長の焼打ちにあってから寺門が一変し、以後村名を東光寺村と称するようになったという。同一七年一一月一九日の伊奈忠次知行書立写(御庫本古文書纂)に東光寺郷とみえ、同郷一千一九七俵一斗一升七合余などが窪田助十郎に宛行われた。同所は取高のほか田畠一段につき一斗ずつの夫銭が課されていた。

慶長古高帳では高四七九石余、ほかに権現領七斗余がある。伝存する慶長六年(一六〇一)検地帳(県立図書館蔵)四冊によれば屋敷は九反余。同一四年には正清斎(坂田与一左衛門)が当村四七九石余の代官に任じられ、枯流検見差引のうえ収納するよう命じられた(「徳川家代官連署手形」坂田家文書)


東光寺村
とうこうじむら

[現在地名]栄町東光寺

福島ふくしま新田・若宮わかみや新田の東南、嵐南平野部に位置し、西は新堀にいぼり村、東はふくろ(現三条市)と接する。村内の通称寺畑てらばたけからは平安時代の須恵器が出土している。近世を通じて新発田藩領で、慶長三年(一五九八)頃の御領内高付帳(新発田市史資料)には三〇三石七斗余、同一〇年の給知方村々高目録(同資料)には、「水入之田毛付」七一石五斗余・水入荒三八九石六斗余とある。


東光寺村
とうこうじむら

[現在地名]博多区竹下たけした三丁目・半道橋はんみちばし一―二丁目・東那珂ひがしなか二丁目・東光寺町一―二丁目

那珂なか郡に所属。御笠みかさ川下流域、比恵ひえ村の南に位置する。東は席田むしろだ雀居ささい村。日田街道が通っていた。村名の由来はかつて東光寺があったことによる(続風土記)。戦国期の年月日未詳筥崎宮領坪付帳(田村文書/筥崎宮史料)にみえる「東光寺」は当地にあたるか。小早川時代の指出前之帳では東光寺村の田二七町六反余(分米三一三石余)・畠七町余(分大豆六〇石余)。慶長七年(一六〇二)の検地高七四七石余、うち大豆四五一石余(慶長石高帳)


東光寺村
とうこうじむら

[現在地名]田舎館村東光寺

周囲に水田が広がり、南を小阿弥こあみ堰が流れる。北東は支村の二ッ屋ふたっや、北西は常盤ときわ(現常盤村)、南西は前田屋敷まえだやしき村に接する。「津軽濫觴実記」は、天文年間(一五三二―五五)田舎館千徳氏配下の城持僧侶東光寺左馬助がいたとするが、詳細は不明。

正保二年(一六四五)の津軽知行高之帳の田舎郡の新田に藤光寺村とあり、高一二二・一五石。貞享四年(一六八七)の検地帳に村高一三三二・五八五石、うち田方一一七町四反一畝一二歩、一三一五・六一七石、畑方二町六反五畝二五歩、一六・九六八石とあり、ほかに漆木一四本、八幡社地二畝歩とある。元禄三年(一六九〇)には田舎館組に属し、村位は上(平山日記)。天保五年(一八三四)の郷村帳によれば、寛政七年(一七九五)に二八四・二石、享和二年(一八〇二)に一九四石、文化五年(一八〇八)に一六九・五石の新田高が書上げられている。


東光寺村
とうこうじむら

[現在地名]野津町西畑にしはた 東光寺

石上いしのうえ村の南西、北流する三重みえ川に西流してきた鼓石つづみいし川が合流する地点の東方にある。北西は風瀬かざせ村。旧高旧領取調帳に村名がみえ高八九石余。文政六年(一八二三)には下畑組に属した(万用集)。江戸時代後期の免は七ツ九分(「雑録」臼杵藩政史料)


東光寺村
とうこうじむら

[現在地名]島田市東光寺

阿知あち村・きし村の北、北・東・西の三方を山陵で囲まれ、その間を東光寺谷とうこうじや川が南流し、南西部に平地が開けている。村名は村内所在の東光寺に由来(駿河志料)。江戸時代、大井川洪水の節は東海道の脇道として、村内字市坂いちさかから山路を北東に越して谷稲葉やいなば(現藤枝市)を経て藤枝宿へ至る道が利用され、市坂には一里塚と称される小丘が残る。寛永一九年(一六四二)の田中領郷村高帳に東光寺村とみえ、高六二石余、田中藩領。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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