日本大百科全書(ニッポニカ) 「東北平原」の意味・わかりやすい解説
東北平原
とうほくへいげん / トンペイピンユワン
中国東北地区中央部に横たわる大平野。関東平原、松遼(しょうりょう)平原などともいう。北は小興安嶺(しょうこうあんれい/シャオシンアンリン)、西は大興安嶺(だいこうあんれい/ターシンアンリン)、東は長白(ちょうはく)山地によって限られ、南は渤海(ぼっかい)の遼東(りょうとう/リヤオトン)湾に至る。南北約1000キロメートル、東西はもっとも広い所で約400キロメートル、面積約35万平方キロメートルで、中国最大の平野である。主として遼河(りょうが)、松花江(しょうかこう)、嫩江(どんこう)の沖積作用によって形成されたもので、大部分は標高200メートル以下である。長春(ちょうしゅん/チャンチュン)付近の松花江と遼河の分水嶺(ぶんすいれい)(松遼分水嶺)も250メートルに達しない。この分水嶺以南を遼河平原、以北を松嫩(しょうどん)平原とよぶ。なお東北平原にはこの両平原のほか三江平原も含める場合がある。三江平原は黒竜江、ウスリー川、松花江の3河川の合流点にあたる、東北地区の北東隅にある平野で、標高50メートル以下の低地からなり、大部分は沼沢、湿地であるが、1955年以後国営農場によって開発され、今は農地化しているところが多い。東北平原の地下には豊富な石油、天然ガス、石炭資源が埋蔵されている。
[河野通博]