東山城跡(読み)ひがしやまじようあと

日本歴史地名大系 「東山城跡」の解説

東山城跡
ひがしやまじようあと

[現在地名]三好町東山

池田いけだ町の箸蔵はしくら寺の東側にある東山(四〇三メートル)に位置し、比高三〇〇メートル。遺構が明瞭に残り、県西部では最大級の山城跡である。東に小川谷おがわだに川が深く食込み、西側にも谷川があって、南は中央構造線に沿った箸蔵断層の断層崖に面する。いずれも急斜面で、北方尾根続きを重点的に守るように築かれている。城主については、尾根続きの集落新田義貞を祀る新田につた神社があり、周辺に脇屋義治の伝説などがあることから、南北朝時代の南朝方の城と伝えられているが、根拠はない。戦国時代には大西備中守が居城したといわれる(阿波志)。備中守は三好郡内に勢力を張っていた白地はくち(現池田町)の大西氏の一族とされる。その後の経緯は不明であるが、城の遺構は長宗我部氏の手法を強く残しており、三好郡が長宗我部元親の支配下に入ったとみられる天正五年(一五七七)以降、同氏の拠点の一つとして改修されたものと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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