東瀛詩選(読み)とうえいしせん(その他表記)Dōng Yíng shī xuǎn

精選版 日本国語大辞典 「東瀛詩選」の意味・読み・例文・類語

とうえいしせん【東瀛詩選】

  1. 漢詩集。四〇巻補遺四巻一六冊。清末の兪樾(ゆえつ)撰。一八八三年(光緒九=明治一六)刊。岸田吟香の依頼により、兪樾が日本人の漢詩を選んだもの。巻一~三五に江戸期から明治初期に至る漢詩人の作品を、巻三六~三九に方外(僧侶)、巻四〇に閨秀女流)の作を収める。補遺には、大友皇子弘文天皇)から那珂通高(語楼)までの作を収録。収録詩人は五五〇人。「東瀛」は日本の別名

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改訂新版 世界大百科事典 「東瀛詩選」の意味・わかりやすい解説

東瀛詩選 (とうえいしせん)
Dōng Yíng shī xuǎn

中国,清末の学者兪樾ゆえつ)が選んだ日本人の漢詩の詞華集。44巻。兪樾はもともと竹添進一郎井井)ら日本の文人交友があり,岸田吟香が日本人百数十家の詩集を持ちこんで評選を依頼した。大友皇子ら4人をのぞき,のこりは全部江戸時代以後の詩人の作品で,各詩人の標題の下に略伝評論を注する。叙事的な長編の古詩を高く評価し,日本における声望とは一致しない。のち評論だけをまとめて《東瀛詩記》2巻を刊行した。
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