松原湖(読み)まつばらこ

日本歴史地名大系 「松原湖」の解説

松原湖
まつばらこ

[現在地名]小海町大字豊里 松原

松原湖は大月おおつき川泥流の氾濫原に存在し、面積四平方キロほどの地域に、大小一〇以上の窪地に水をたたえた湖沼群が存在する。このうち湖とよべるほどのものは、氾濫原の北辺に位置する猪名いな湖と、その西にある大月湖、及び氾濫原のほぼ中央に位置するちよう湖の三つで、そのほか臼児うすご池・鶉取うずらとり池・桷木ずみのき池・オシデノウミ等は植物に覆われ、わずかに開水面を残すだけの老衰湖で、その他は沼沢あるいは湿地化して、わずかにそのなごりをとどめるにすぎず、あるものは稲田になっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「松原湖」の意味・わかりやすい解説

松原湖 (まつばらこ)

長野県の東部,八ヶ岳東麓にある湖。八ヶ岳火山の一つ天狗岳が噴出した泥流のくぼ地にできた20ほどの湖沼の総称であるが,一般には最大の猪名(いな)湖を指す。猪名湖は面積0.12km2,最大深度7.7m,湖面標高1123m。大月川が桷木(たるき)池,長湖を経て注ぎこみ,東岸から排水されて発電に利用されたのち千曲(ちくま)川に入る。古来,神の湖として神聖視され,湖畔には室町初期の建立とされる松原諏訪神社がある。結氷が早く降雪も少ないため,かつては天然のスケート場として知られた。夏季には避暑地になり,八ヶ岳登山やハイキングの基地にもなっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「松原湖」の意味・わかりやすい解説

松原湖
まつばらこ

長野県中東部、南佐久(みなみさく)郡小海町(こうみまち)にある湖。八ヶ岳(やつがたけ)の東北麓(とうほくろく)にあり、天狗岳(てんぐだけ)の火山泥流凹地にできたもの。猪名(いな)湖、長(ちょう)湖などの小湖沼群を総称して松原湖というが、一般にはこのなかで最大の猪名湖をさす。標高1123メートル、面積0.12平方キロメートル、周囲約2キロメートル、最深部は7.7メートルで、周囲には松林などの樹林があり、オートキャンプ場、コテージ別荘地として開発されている。

 通年釣りが楽しめ、夏はヘラブナ、冬は氷上ワカサギ釣りで賑わう。以前は天然のスケートリンクとして多くの名選手を養成した。JR小海線小海駅からバスの便がある。

[小林寛義]


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百科事典マイペディア 「松原湖」の意味・わかりやすい解説

松原湖【まつばらこ】

長野県東部,八ヶ岳東麓にあり,八ヶ岳火山の泥流堆積物の凹地に湛水した小湖群。狭義にはそのうち最大の猪名(いな)湖(0.12km2)をさす。猪名湖は標高1123mの高所にあり,避暑,キャンプ,スケートの好適地。小海線松原湖駅からバス。
→関連項目小海[町]八ヶ岳中信高原国定公園

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「松原湖」の意味・わかりやすい解説

松原湖
まつばらこ

長野県東部,八ヶ岳連峰の北東麓,小海町にある湖沼群。群中最大の猪名湖の通称でもある。いずれも天狗岳から流出した泥流堆積物の凹地に湛水して形成された。猪名湖は周囲約 2.9km,面積約 0.12km2,最大水深 7.7m。湖面標高 1123m。南東約 200mに2番目に大きい長湖があり,面積約 0.03km2。高地にあるため 12月下旬から氷結し,昭和初期までは東京から比較的近くにある代表的なスケート場であった。周辺には別荘やキャンプ場が多い。

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デジタル大辞泉プラス 「松原湖」の解説

松原湖

長野県南佐久郡小海町中部、八ヶ岳山麓に位置する湖沼群の総称、またその最大の湖である猪名湖の通称。湖沼群はほかに、長湖、大月湖など大小20あまりの火山湖を含む。

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