松山西口関門(読み)まつやまにしぐちかんもん

日本歴史地名大系 「松山西口関門」の解説

松山西口関門
まつやまにしぐちかんもん

[現在地名]宇陀町大字下本

旧松山城の西門。下本しもほん下茶しもちやの境に保存されている。屋根をもつ門としては最も簡略なもので、角柱二本立て、その上に冠木をおき、さらに腕木・桁をおいて切妻屋根を上げ、本瓦葺。また後方控柱を立て本柱から繋貫を入れ、その上に同様な切妻屋根を上げている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「松山西口関門」の解説

まつやまにしぐちかんもん【松山西口関門】


奈良県宇陀(うだ)市大宇陀区下本にある松山城の西門。角形の本柱を両側に建て、柱間は4.1m、その上に冠木(かぶき)を載せ、腕木、桁を置いて切り妻の屋根がある。軒高は3.7mで、門はすべて黒塗りで本瓦葺き。戸は石を用いた軸受けによって両開きができ、鉄金具を打った格子戸がある。門の付近は防備上から門口の橋詰めで道路を直角に曲げ、門に入ってからも道路が直角に折れている。建築は江戸時代初期と推定され、当時のままの位置にある城下町の門としては希少であることから、1931年(昭和6)に国の史跡に指定された。1986年(昭和61)には標柱と説明板を設置し、屋根の葺き替えが行われた。松山城はもとの秋山城を改称したもので、秋山城は町の東の古城山(標高472m)にあり、宇陀の国人秋山氏の本城だったが、1585年(天正13)、大和に入国した豊臣秀長によって追放され、その後城主となった福島高晴によって松山城と改名された。近畿日本鉄道大阪線榛原駅から奈良交通バス「西山下車、徒歩すぐ。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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