桐の薹(読み)きりのとう

精選版 日本国語大辞典 「桐の薹」の意味・読み・例文・類語

きり【桐】 の 薹(とう)

① 桐の花軸
多聞院日記‐天正一九年(1591)六月七日「桐のたう・菊を文につけは、可曲事と奈良中触了」
紋所の名。七九の桐、五七の桐、五三の桐などの総称
浮世草子男色大鑑(1687)六「桐の頭(トウ)松平小太夫」
大判小判、一分金など判金異称。桐の薹の形の刻印があるのでいう。きり
※浮世草子・好色二代男(1684)一「四角にして、梧(キリ)のとうの付たる物五十入て」

きり【桐】 の 薹(と)

(「きり(桐)の薹(とう)」の変化した語) =きり(桐)の薹(とう)
※俳諧・物種集(1678)「慮外千万小男鹿の声 奥山菊桐のとをふみ分て〈正甫〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「桐の薹」の意味・読み・例文・類語

きり‐の‐とう〔‐タウ〕【×桐の×薹】

の花軸。
紋所の名。桐を図案化したもので、五三の桐五七の桐などがある。
文様2を用いたところから》大判小判一分金いちぶきんなどの判金。きりのと。
「その時の白菊は―に替へて、小判弐百両」〈浮・好色盛衰記〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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