権力への意志(読み)ケンリョクヘノイシ(その他表記)Der Wille zur Macht: Versuch einer Umwertung aller Werte

デジタル大辞泉 「権力への意志」の意味・読み・例文・類語

けんりょくへ‐の‐いし【権力への意志】

《〈ドイツWille zur Machtニーチェ哲学の中心概念の一。他を征服・支配し、自己生存の維持拡大を図ろうとする生の根本衝動。存在の実相とされる。権力意志

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精選版 日本国語大辞典 「権力への意志」の意味・読み・例文・類語

けんりょく【権力】 へ の意志(いし)

  1. ( [ドイツ語] Wille zur Macht の訳語 ) ドイツの哲学者ニーチェの思想の中心概念の一つ。生命あるものすべてが、その根底に持っている生への意志。強者は強者として、弱者は弱者として、基本的には正反対の形式で二様に現われるが、本質的には生の根底にある根本性格とされている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「権力への意志」の意味・わかりやすい解説

権力への意志
けんりょくへのいし
Der Wille zur Macht: Versuch einer Umwertung aller Werte

ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの遺稿断片のなかから実妹エリーザベトが"Studien und Fragmente"の副題のもとに選択編集したもの。初め彼女の3巻の伝記の一部として出版。のち 1901年1巻にまとめられ,さらに 06年大改訂が施されて2巻本として現在の表題刊行個々の思想はニーチェのものであるが,全体としては編集者の解釈が入り,「主著」といえるか疑問視されている。従来の思想,特にパウロ的キリスト教を,この世での弱さを来世での完成の問題にすりかえるとして批判し,さまざまな可能性を秘めた人間の内的,活動的生命力を根底とする高貴な新人間像の形成を説いている。

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