(読み)ヨコ

デジタル大辞泉 「横」の意味・読み・例文・類語

よこ【横】

水平の方向。また、その長さ。「首をに振る」「瓶をにする」「手をに伸ばす」⇔
左右の方向。また、その長さ。「に並ぶ」「便箋をにして手紙を書く」⇔
立体や平面の短い方向。側面。「樽のに穴をあける」⇔
物のかたわら。脇。「の席に座る」「を見る」
関係の立場。局外。「から口を出す」「話がにそれる」
東西の方向。「東京をに走る道路」⇔
身分・階級などによらない、同列あるいは別種のものどうしの関係。「の連絡を密にする」⇔
正しくないこと。また、道理に合わないこと。不正。「を言う」
織物の横糸。⇔
10 客のある遊女が他の客や情夫と密会すること。
すきをみて―をいたしたがる」〈浮・色三味線・一〉
[類語](1)(2横様よこさま横向き水平左右/(3側面横腹横っちょサイド/(4手近い程近い近い間近い間近じきすぐ至近目前鼻先手が届く指呼しこ咫尺しせき目睫もくしょうかん目と鼻の先わき片脇片方かたえとなり横手横合いそば手近卑近身辺かたわ手もと間近近く付近近辺近傍近所最寄り足元座右左右手回り身の回り近間界隈かいわい近回りそのへん四隣しりん隣組向こう三軒両隣りょうどなり

おう【横】[漢字項目]

[音]オウワウ)(呉) [訓]よこ
学習漢字]3年
〈オウ〉
よこ。よこにする。よこになる。「横臥おうが横断横転縦横
ほしいまま。かって気まま。「横行横柄横暴横領専横
普通でない。「横禍横死
あふれ出る。「横溢おういつ横流
〈よこ〉「横顔横綱横道横文字真横

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「横」の意味・読み・例文・類語

よこ【横】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上下の方向に対して、水平の方向。前後の方向に対して、左右の方向。また、その長さ。
    1. [初出の実例]「長く駕(ゆ)き、遠く撫で、都の外に横(ヨコ)に逸(こえい)で」(出典:日本書紀(720)安閑元年閏一二月(寛文版訓))
    2. 「眼を閉ぢ頭顱(かしら)を抱へて其処へ横に倒れた儘」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)
  3. 南北の方向に対して、東西の方向。
    1. [初出の実例]「大和の 青香具山は 日の経(たて)の 大御門に 春山と しみさび立てり 畝傍の この瑞(みづ)山は 日の緯(よこ)の 大御門に 瑞山と 山さびいます」(出典:万葉集(8C後)一・五二)
  4. 立体の正面あるいは背面に対して、側面。特に、直方体の側面。
    1. [初出の実例]「東より西へ柳橋の欄干、横(ヨコ)を見たる道具」(出典:歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)発端)
  5. ある物を中心としてその左あるいは右の方。かたわら。そば。わき。ほとり。付近。
    1. [初出の実例]「長もち人足横(ヨコ)にたってうたひ、馬士うしろをむきて、ひよぐりながら行道すがら」(出典:滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)四)
  6. 平面図形、特に四辺形などの、水平に引いた線、および長さ。
  7. 無関係の立場。当事者以外の立場。局外。はた。
    1. [初出の実例]「横から出て来て是が非でもその女を女房にする」(出典:ゆく年(1928‐29)〈久保田万太郎〉三)
  8. 正しくないこと。不正。よこしま。また、道理に合わないこと。無理非道。
    1. [初出の実例]「年中偽(うそ)と横(ヨコ)と欲とを元手にして世をわたり」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)三)
  9. 序列を乱すこと。
    1. [初出の実例]「貞永元年六月廿五日宣下、〈略〉今忽以新儀、横被補了」(出典:醍醐寺新要録(1620))
  10. 織物のよこいと。〔倭語類解(17C後‐18C初)〕
  11. 遊女が客の目を盗んで他の客や情夫と密会すること。→横に行く
    1. [初出の実例]「大臣のふびんがらるる女郎を、透を見て横(ヨコ)をいたしたがる」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)京)
  12. 横臥すること。横に寝ること。
    1. [初出の実例]「霧にふね引人はちんばか〈野水〉 たそがれを横にながむる月ほそし〈杜国〉」(出典:俳諧・冬の日(1685))
  13. 階級・身分などの上下関係に対して、同列のもの、地位水準などが同じであるものどうしの関係。
    1. [初出の実例]「山びこ学校」(出典:<出典>)

おうワウ【横】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 謡曲をうたうときの音声の一つ。はき出す息を使って発声する声。呂の声。⇔主(しゅ)
    1. [初出の実例]「老声は、生声尽きて、あるひはわう、あるひは〔主〕、又は相音(あひおん)などの残声にて、曲よければ、面白き感聞(かんもん)あり」(出典:花鏡(1424)奥段)
  3. 仏語真宗の二双四重の教判で説く、豎(じゅ)対語で、他力浄土門をいう。→横超(おうちょう)
    1. [初出の実例]「就菩提心二種、一者堅、二者横」(出典:教行信証(1224)三)

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