横(読み)ヨコ

デジタル大辞泉 「横」の意味・読み・例文・類語

よこ【横】

1 水平の方向。また、その長さ。「首を横に振る」「瓶を横にする」「手を横に伸ばす」⇔縦。
2 左右の方向。また、その長さ。「横に並ぶ」「便箋を横にして手紙を書く」⇔縦。
3 立体や平面の短い方向。側面。「樽の横に穴をあける」⇔縦。
4 物のかたわら。脇。「横の席に座る」「横を見る」
5 無関係の立場。局外。「横から口を出す」「話が横にそれる」
6 東西の方向。「東京を横に走る道路」⇔縦。
7 身分・階級などによらない、同列あるいは別種のものどうしの関係。「横の連絡を密にする」⇔縦。
8 正しくないこと。また、道理に合わないこと。不正。「横を言う」
9 織物の横糸。⇔縦。
10 客のある遊女が他の客や情夫と密会すること。
「透すきをみて―をいたしたがる」〈浮・色三味線・一〉
[類語](1)(2)横様よこさま・横向き・水平・左右/(3)側面・横腹・横っちょ・サイド/(4)手近い・程近い・近い・間近い・間近・じき・すぐ・至近・目前・鼻先・手が届く・指呼しこ・咫尺しせき・目睫もくしょうの間かん・目と鼻の先・脇わき・片脇・片方かたえ・隣となり・横手・横合い・そば・手近・卑近・身辺・傍かたわら・手もと・間近・近く・付近・近辺・近傍・近所・最寄り・許・足元・座右・左右・手回り・身の回り・近間・界隈かいわい・近回り・その辺へん・四隣しりん・隣組・向こう三軒両隣りょうどなり

おう【横】[漢字項目]

[音]オウ(ワウ)(呉) [訓]よこ
[学習漢字]3年
〈オウ〉
1 よこ。よこにする。よこになる。「横臥おうが・横断・横転/縦横」
2 ほしいまま。かって気まま。「横行・横柄・横暴・横領/専横」
3 普通でない。「横禍・横死」
4 あふれ出る。「横溢おういつ・横流」
〈よこ〉「横顔・横綱・横道・横文字/真横」

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精選版 日本国語大辞典 「横」の意味・読み・例文・類語

よこ【横】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 上下の方向に対して、水平の方向。前後の方向に対して、左右の方向。また、その長さ。
    1. [初出の実例]「長く駕(ゆ)き、遠く撫で、都の外に横(ヨコ)に逸(こえい)で」(出典:日本書紀(720)安閑元年閏一二月(寛文版訓))
    2. 「眼を閉ぢ頭顱(かしら)を抱へて其処へ横に倒れた儘」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)
  3. ② 南北の方向に対して、東西の方向。
    1. [初出の実例]「大和の 青香具山は 日の経(たて)の 大御門に 春山と しみさび立てり 畝傍の この瑞(みづ)山は 日の緯(よこ)の 大御門に 瑞山と 山さびいます」(出典:万葉集(8C後)一・五二)
  4. ③ 立体の正面あるいは背面に対して、側面。特に、直方体の側面。
    1. [初出の実例]「東より西へ柳橋の欄干、横(ヨコ)を見たる道具」(出典:歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)発端)
  5. ④ ある物を中心としてその左あるいは右の方。かたわら。そば。わき。ほとり。付近。
    1. [初出の実例]「長もち人足横(ヨコ)にたってうたひ、馬士うしろをむきて、ひよぐりながら行道すがら」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)四)
  6. ⑤ 平面図形、特に四辺形などの、水平に引いた線、および長さ。
  7. ⑥ 無関係の立場。当事者以外の立場。局外。はた。
    1. [初出の実例]「横から出て来て是が非でもその女を女房にする」(出典:ゆく年(1928‐29)〈久保田万太郎〉三)
  8. ⑦ 正しくないこと。不正。よこしま。また、道理に合わないこと。無理非道。
    1. [初出の実例]「年中偽(うそ)と横(ヨコ)と欲とを元手にして世をわたり」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)三)
  9. ⑧ 序列を乱すこと。
    1. [初出の実例]「貞永元年六月廿五日宣下、〈略〉今忽以二新儀一、横被レ補了」(出典:醍醐寺新要録(1620))
  10. ⑨ 織物のよこいと。〔倭語類解(17C後‐18C初)〕
  11. ⑩ 遊女が客の目を盗んで他の客や情夫と密会すること。→横に行く②。
    1. [初出の実例]「大臣のふびんがらるる女郎を、透を見て横(ヨコ)をいたしたがる」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)京)
  12. ⑪ 横臥すること。横に寝ること。
    1. [初出の実例]「霧にふね引人はちんばか〈野水〉 たそがれを横にながむる月ほそし〈杜国〉」(出典:俳諧・冬の日(1685))
  13. ⑫ 階級・身分などの上下関係に対して、同列のもの、地位・水準などが同じであるものどうしの関係。
    1. [初出の実例]「山びこ学校」(出典:<出典>)

おうワウ【横】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 謡曲をうたうときの音声の一つ。はき出す息を使って発声する声。呂の声。⇔主(しゅ)・律。
    1. [初出の実例]「老声は、生声尽きて、あるひはわう、あるひは〔主〕、又は相音(あひおん)などの残声にて、曲よければ、面白き感聞(かんもん)あり」(出典:花鏡(1424)奥段)
  3. ② 仏語。真宗の二双四重の教判で説く、豎(じゅ)の対語で、他力浄土門をいう。→横超(おうちょう)。
    1. [初出の実例]「就二菩提心一有二二種一、一者堅、二者横」(出典:教行信証(1224)三)

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普及版 字通 「横」の読み・字形・画数・意味

横
常用漢字 15画

(旧字)
人名用漢字 16画

[字音] オウ(ワウ)・コウ(クヮウ)
[字訓] よこ・ほしいまま

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(黄)(こう)。〔説文〕六上に「闌(さえぎ)る木なり」とあり、門に施すかんの木の類をいう。縦横の字には古く衡を用い、衡はくびき。牛馬の首に横にわたす木である。同声によって通用する。

[訓義]
1. よこ、よこのき、かんのき。
2. よこぎる、よこたえる、よこたわる。
3. 縦が従うこと、秩序を意味するのに対して、横はまげる、さまたげる、ほしいままの意となる。
4. 黌に通じる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ヨコザマ・ヨコシ・ヨコタフ・ホシイママ・キヌハリ・ミツ 〔字鏡集〕 ヨコサマ・ヨコサマナ・ヨコタフ・フサグ・カウサマ・ホシママ・キヌハリ・ミツ

[語系]
hoang、huang、衡heangは声近く一系の語。は佩玉の上端などにわたした半璧、衡は牛馬に扼を施して曳かせる轅(ながえ)の前の横木。魚の形にみえるのは牛・馬に衡を施した前面の象形。

[熟語]
横遏▶・横佚▶・横逸▶・横▶・横雲▶・横禍▶・横臥▶・横街▶・横角▶・横猾▶・横議▶・横逆▶・横虐▶・横撃▶・横決▶・横譴▶・横行▶・横坐▶・横▶・横死▶・横恣▶・横肆▶・横集▶・横従▶・横術▶・横吹▶・横生▶・横征▶・横政▶・横逝▶・横截▶・横説▶・横絶▶・横塞▶・横奪▶・横断▶・横着▶・横睇▶・横畔▶・横被▶・横眉▶・横放▶・横眸▶・横暴▶・横奔▶・横民▶・横目▶・横夭▶・横乱▶・横濫▶・横流▶・横▶・横舎▶・横塾▶
[下接語]
猾横・強横・驕横・権横・交横・豪横・釵横・従横・縦横・専横・擅横・貪横・暴横・連横

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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