横谷峠(読み)よこだにとうげ

日本歴史地名大系 「横谷峠」の解説

横谷峠
よこだにとうげ

湯前町の東部、熊本・宮崎両県境にまたがる標高六二〇メートルの峠。寛政四年(一七九二)高山彦九郎は「筑紫日記」に「都川を右へ渡り、浅ケ野を過ぎ、猪の鹿倉を経る。山へ入るなり。野地に番所有り。湯の前より一里二合、卯辰の間へ来る。是まで案内付く。是れより猶卯辰の方へ登る事十丁。横谷と号す。家三軒。川流る。相良領米良領の堺なり。


横谷峠
よこだにとうげ

北の牧良まきら(九九〇・五メートル)と南のはら(約一〇六〇メートル)の鞍部に位置する。現在は西米良村と熊本県球磨くま湯前ゆのまえ町を結ぶ国道二一九号の横谷トンネル(全長一六〇八メートル)が峠の下を貫通しているが、旧道の峠の標高は約六七〇メートルであった。古くから米良地方と球磨地方をつなぐ重要なルートで、江戸時代には米良から肥後国人吉城下への往来などで賑わった。「八代日記」によれば、天文二三年(一五五四)日向方面に向かおうとした肥後の菊池義武は米良一揆によって真幸まさき越・米良越を阻まれているが、この米良越とは当峠を経る道であったと思われる。寛政四年(一七九二)には高山彦九郎が(筑紫日記)、文化九年(一八一二)には伊能忠敬が峠を越えている(伊能忠敬測量日記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「横谷峠」の意味・わかりやすい解説

横谷峠
よこたにとうげ

熊本県湯前町と宮崎県西米良村との境にある,九州山地越えの峠。標高 680m。 1938年に国道 219号線 (米良街道) が開通するまでは,米良荘唯一の出入口であった。現在はトンネルが通じている。

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