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歯の正しいみがき方 はのただしいみがきかた

家庭医学館の解説

はのただしいみがきかた【歯の正しいみがき方】

●なぜ歯をみがくのか
 むし歯(う蝕(しょく))も歯周病(ししゅうびょう)も、歯垢(しこう)(プラーク)中の細菌による感染症です。これらの菌はいつも口腔内(こうくうない)にいるので、原因菌を増殖させないように、また口腔の健康維持をはかる(プラークコントロール)ことは予防法としてたいせつです。プラークコントロールの方法としてはうがい、歯みがき、歯科医師による治療や歯科衛生士による食生活指導・予防処置も含まれます。しかし、もっとも基本的で各自が行なう方法は、歯みがきです。
●いつみがくか
「食べたらみがく」が原則で、1日3回が理想です。朝や昼は忙しくて十分時間がとれないでしょうが、夕食後は丁寧に時間をかけてみがきます。その後もし食べたら、またみがきます。歯間ブラシやデンタルフロスを用いるのもこの時間がよいでしょう。眠っている間は唾液(だえき)の分泌(ぶんぴつ)も少なく、自浄作用が低下しますので、細菌増殖の危険性が高いのです。
●何でみがくか
 歯ブラシ 基本は手用歯ブラシです。口の中の状態により、使うべきあるいは使いやすい歯ブラシが異なりますから、歯科医師または歯科衛生士に相談してください。
 一般的には比較的ヘッドの小さい(奥歯2本分くらい)、柄がまっすぐなナイロン製のものがよいでしょう。かたさは、歯ぐきが正常な場合はふつうのかたさ、炎症があるときは少しやわらかめのものを使います。やわらかすぎるとプラークの落ちが悪くなり、歯肉のマッサージ効果もあがりません。
 歯みがき剤 歯みがき剤は粒子が細かく、フッ素やデキストラナーゼ、クロルヘキシジン入りがよいでしょう。歯周病の人には歯周病に効果があると表示されたものを勧めます。ただし所定量を1日2回以上使用しないと効果は得られません。歯みがき剤はあくまで補助的なものと考えてください。主役は歯ブラシによる機械的清掃とマッサージ効果です。
 電動歯ブラシ 電動歯ブラシも有効ですが、使えばきれいになるというものではありません。適切な位置にブラシを固定するのは案外むずかしいものです。歯科医師、歯科衛生士の指導を受けてください。また、歯みがき剤は研磨剤の入っていないものを用います。
 その他の用具 歯と歯の間やブリッジの下は歯ブラシだけではきれいになりません。歯間ブラシやデンタルフロスを用いて、1日に1回は徹底的に清掃しましょう。
●具体的な歯のみがき方
 歯のみがき方にはいろいろな方法がありますが、これといった決まりはありません。それぞれ長所短所があり、歯や歯ぐきの状態に合わせて選択します。
 歯ブラシの毛先を使う方法 一般的なのはスクラッビング法(図「スクラッビング法」)です。ふつうのかたさの歯ブラシを歯面に直角にあて、歯や歯肉の表面を小刻みにこすります。歯ブラシを動かす幅は2~3mmで、毛先が隣接面や歯頸部(しけいぶ)にも十分届くようにみがきます。
 歯周病の人にはバス法(図「バス法」)を勧めます。比較的やわらかくて密に植毛された歯ブラシを、鉛筆を持つようにして歯列と平行に歯頸部にあてます。歯軸と45度にして、毛先を歯周ポケットに入れ、力を入れずに微振動を与えるのがこつです。
 子どもむきにはフォーンズ法(図「フォーンズ法」)があります。外側の歯面は上下顎(じょうかがく)ともに連続して弧を描くようにみがきます。前歯部をみがくときには下顎を前に出し、臼歯部(きゅうしぶ)のときは清掃する面の下顎を外側にずらし、上下顎を同一平面にして行ないます。舌側面や口蓋(こうがい)側面では円が描けないので、水平に往復運動をします。
 歯ブラシの脇腹(わきばら)を使う方法 比較的かたい歯ブラシの毛束の脇腹を利用したローリング法(図「ローリング法」)などもあります。歯周病の予防や治療に適しています。毛先を根尖(こんせん)方向にむけながら歯ブラシの脇腹を歯頸部から2~3mmの歯ぐきに、歯ぐきが白くなるくらい押しあて、その後ごみを掃き出すように回転させます。この方法は歯ぐきのマッサージ効果はありますが、プラーク除去効果は不十分ですから、毛先を使う方法と併用するのがよいでしょう。
 歯間(しかん)ブラシの使い方 歯間ブラシは、歯間部にすき間のある人の隣接面のプラーク除去や歯間乳頭部(しかんにゅうとうぶ)のマッサージに好適です(図「歯間ブラシの使い方」)。ブリッジの下面の清掃にも用います。歯のすき間のスペースにあったブラシを選択し、乳頭部に沿って挿入、数回往復運動を行ないます。
 デンタルフロスの使い方 若い人は歯間ブラシの入るスペースがないので、デンタルフロスを用います(図「デンタルフロスの使い方」)。40cmくらいに切ったフロスを両手の薬指に巻きつけ、隣接面の歯面に沿わせて歯肉溝に挿入しますが、これはぜひ歯科衛生士に習ってください。使い方を誤ると歯間乳頭部の歯肉を傷つけます。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

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