歯科医療用の義歯、冠、充填(じゅうてん)物、矯正装置などを、歯科医師が患者の口腔(こうくう)に適合するように調整した作業模型上で、歯科医師の指示に従って技工作業(作製・修理・加工)する者をいう。歯科衛生士と同様に歯科医師の補助者の一種である。元来、歯科医師の見習いとして技工作業を行う人々によって始まったものであるが、1955年(昭和30)に歯科技工士法が制定され、歯科技工士の制度が確立された。歯科技工士になるには、高等学校卒業後、文部科学大臣の指定した歯科技工士学校または厚生労働大臣の指定した歯科技工士養成所で2年以上の教育を受けたのち、厚生労働大臣が行う国家試験に合格し、免許を受けなければならない。このほかに歯科医師国家試験または歯科医師国家試験予備試験を受けることのできる者、もしくは外国の歯科技工士学校または養成所を卒業した者や外国で歯科技工士の免許を受けた者の場合は、厚生労働大臣の認可があれば歯科技工士の国家試験を受けることができる。歯科技工は、病院や診療所内の歯科技工室において歯科医師の直接の指示に基づいて行う場合と、法律で定められた事項を記載した歯科技工指示書に基づいて歯科技工所で行う場合とに大別できるが、患者の口腔内での操作は行ってはならないとされる。2004年(平成16)現在、歯科技工士数は約3万6000人である。歯科技工士および歯科技工業の健全な発展のための全国組織の団体として、日本歯科技工士会がある。
[市丸展子]
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…近年,矯正歯科,小児歯科が別個に標榜できるようになった。歯科医療は歯科医師によって行われるが,それには歯科衛生士,歯科技工士の補助が必要である。 歯科衛生士は,歯科医師の指導のもとに歯や口腔の病気の予防処置として歯石除去や虫歯予防のための薬物塗布,歯ブラシの刷掃指導などをしたり,歯科診療の介補をする。…
※「歯科技工士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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