六訂版 家庭医学大全科 「歯肉がはれる」の解説
歯肉がはれる
しにくがはれる
Swollen gum
(お年寄りの病気)
どのような状態か
歯肉そのものがはれる場合と、歯肉より深いところにある病巣が大きくなって歯肉を隆起させ、結果として歯肉がはれたようにみえる場合の2つがあります。
歯肉がはれる病気として、炎症と腫瘍があります。炎症には歯肉炎(しにくえん)、歯周炎(ししゅうえん)があり、高い頻度で発症します。腫瘍には歯肉がんがあります。
歯肉を隆起させる深層の病巣には、化膿性炎(感染によってうみがたまる病気)、
必要な検査と疑われる病気
歯肉と歯の間のポケットと称するすきまの深さを、ポケットプローブという器具で検査します。歯肉のはれと歯を支えている
②腫瘍
歯肉深層の骨の破壊吸収の有無と程度を診断するためにX線、CT、MRIなどの検査を行います。正確な診断を得るために細胞診や生検(組織の一部を切除し、顕微鏡下で精査する検査)を行います。
③うみがたまる病気
試験的
④
嚢胞があごの骨のなかに発症したものか、軟部組織に発症したものかを調べます。病巣の大きさ、深層における隣接組織の状態を調べるためにX線、CT、MRIなどの検査を行います。はれている病巣に試験的穿刺を行い、内容液を調べます。
必要に応じて、腫瘍との区別を目的に病理組織検査を行います。
受診について
症状の発症があれば、早期に口腔外科、または耳鼻科を受診することをすすめます。
山口 雅庸
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報