島尾敏雄(としお)の長編小説。冒頭の章を1960年(昭和35)9月『群像』に発表して以後7年かけ76年に完成し、77年新潮社刊。作風は私小説的であり、作者と妻の名がトシオ、ミホと実名で登場する。夫に愛人がいることを知った妻は嫉妬(しっと)と妄想のため家出を繰り返し、ときには夫につかみかかり、その果て強度のノイローゼになる。また作家である夫は妻の妄執と嫉妬に悩まされ、仕事に行き詰まり生と死の深淵(しんえん)に向かい合い、極限状況を彷徨(ほうこう)する。その果て妻は精神病院の入退院を繰り返す。このような自然主義風の題材を本源的に描くことによって、夫婦のあり方、家庭、日常性を鋭く問う。なお題名は聖書から得たものであり、作品のテーマを暗示している。読売文学賞受賞。
[松本鶴雄]
『『死の棘』(新潮文庫)』
自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...
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