人間の死体や遺骨を捨てた場合は死体遺棄罪、切断するなどしたときは死体損壊罪が成立する。刑法190条は法定刑をいずれも3年以下の懲役と定めており、その罪だけでは裁判員裁判の対象にはならない。自宅に死体を放置して逃げたり、死体を押し入れに隠したりする行為は、判例では死体遺棄罪に当たると認定されている。
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死体,遺骨,遺髪または棺内に蔵置した物を損壊,遺棄または領得した者は,3年以下の懲役に処せられる(死体遺棄罪,死体損壊罪等。刑法190条)。本罪は,死者に対する敬虔(けいけん)の感情を保護しようとするものである。なお,墳墓を発掘したうえでこのような行為をした者は,3ヵ月以上5年以下の懲役に処せられる(191条)。死体というのは,死亡した人の身体をいい,人の形体を備えている以上,死胎をも含む。ここで遺棄というのは,通常の埋葬と認められない方法で死体等を放棄することをいう。ふつうは死体等を他の場所に移すことを要するので,たとえば殺害後に死体を現場に放置するだけでは,遺棄にはならない。もっとも,埋葬義務者については,たんに放置するだけでも遺棄したことになる。自分の占有する場所内に死体や死胎があることを公務員に申し出なかったり,正当な理由なしに変死体や死胎の現場を変えた者は,死体遺棄罪にはならないが,軽犯罪法で処罰される(軽犯罪法1条18号,19号)。
執筆者:大越 義久
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死体、遺骨、遺髪、または棺に納めてある物を遺棄する罪で、3年以下の懲役に処せられる(刑法190条)。死体等を損壊する場合は死体損壊罪にあたる。本罪は宗教的な習俗・慣習に違反する罪であるから、社会法益に対する罪の一種である、と一般に理解されている。本罪は、通常、死体の場所を移動するといった作為により行われるが、法律上の埋葬義務者が死体をそのまま放置する不作為によっても犯されうる。たとえば、判例によれば、自分の妻子の死体を押入れにそのまま放置し立ち去っても、不作為による本罪が成立するが、人を殺害した者には前述の埋葬義務がないから、殺害後、死体を現場に放置して立ち去っただけでは、本罪は成立しない。殺害後に死体を移動して他の場所に遺棄すれば本罪が成立する。
[名和鐵郎]
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