中国の軍閥政治家。安徽(あんき)省出身。清(しん)末から袁世凱(えんせいがい)の腹心として北洋新軍の創設に努めた。辛亥(しんがい)革命後は、袁のもとで中華民国陸軍総長、国務総理などに就任。袁の死後、安福派(安徽派)の軍閥官僚を率いて、馮玉祥(ふうぎょくしょう)を頭とする直隷(ちょくれい)派と対立し、北京(ペキン)政府の実権を握るため、軍閥戦争を繰り返した。1917年から1918年にかけて、日本の寺内正毅内閣の援段政策と結び、西原借款などの援助を受け、南方革命派の弾圧を図った。1924年北京で臨時執政に就任。1926年には魯迅(ろじん)が「民国以来もっとも暗黒な日」といった三・一八事件で学生運動を弾圧。1928年、北伐完了とともに勢力を失い、上海(シャンハイ)で没した。
[安藤彦太郎]
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中国の軍人。安徽省合肥の人。祖父の代から淮(わい)軍の将の家の出である。字は芝泉,号は正道老人。北洋武備学堂の第1期生を首席で卒業してドイツに留学,帰国して袁世凱のもとで新軍の創設につとめた。竜の王士珍,狗(いぬ)の馮国璋と並べて虎の段祺瑞と称された(北洋三傑)。中華民国の袁大総統のもとで陸軍総長を連任して実力をたくわえ,袁世凱の死後,3度国務総理となり,4年間にわたって北京の政権を掌握した。段政権は,二十一ヵ条要求以上にひどい日華共同防敵軍事協定などとひきかえの西原借款に代表される財政援助で維持されてきた親日政権だったから,第1次大戦の終了後,安直戦争に敗れて退場することになる。のち,張作霖,馮玉祥の妥協策として臨時執政となったが(1924年11月~26年4月),実権はなかった。満州事変後の日本のかつぎだし工作には応ぜず,晩年は仏教を研究して,上海で病没した。
執筆者:狭間 直樹
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1865~1936
中国の軍閥の一人。安徽(あんき)省合肥県の人。袁世凱(えんせいがい)のもとで活躍し,民国では安徽派の領袖として,日本の支援をたのんで北京政府を牛耳(ぎゅうじ)った。その間,陸軍総長,国務総理などを務めた。
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…共和制の中華民国は,主権在民の〈臨時約法〉(憲法にあたる)と民選の国会をもったが,軍閥の袁世凱,張勲らはそれを破壊した。張勲の復辟失敗後,北京政府をにぎった段祺瑞がやはり約法と国会を回復しなかったので,孫文は〈護法〉(臨時約法擁護)の旗印をかかげて,彼と行動をともにした国会(非常国会)を法的基盤に広州で中華民国軍政府(第1次広東政府,1917年9月~20年10月)を組織し,大元帥に就任した。孫文は西南軍閥の武力にたより,西南軍閥は北洋に対抗するために孫文の名声と護法の正統性を利用したのである。…
…中国,第1次大戦期半ばに,孫文が展開した政治闘争。戦争の長期かつ大規模化は,中国にも参戦問題をもたらし,日本の強力な援助の下に権力拡大をねらう段祺瑞一派の積極参戦論と,これに反対する諸勢力の慎重論との対立は,日ごとに深刻になっていった。この間隙をぬって,1917年7月1日,張勲が清朝復辟のクーデタを起こした。…
…民国を帝国にあともどりさせることは前皇帝にも軍閥の親玉にももはや不可能だった。袁世凱の死後,北京の中央政権を掌握したのはその右腕,段祺瑞であった。段祺瑞は日本を後ろだてに袁世凱の衣鉢を継ごうとしたが,護国戦争を経る間に各地の軍閥の地盤強化がすすみ,もはや袁世凱時代ほどの統一も図れなかった。…
…それは袁世凱の新軍創建に起源し,新軍の拡充にともない,1905年(光緒31)には〈北洋6鎮(鎮は師団)〉を数えるにいたった。袁は新軍創建にあたり北洋武備学堂(李鴻章が1885年に天津に創立した兵学校)出身の段祺瑞,馮国璋らを抜擢した。かれらは実戦経験豊富な淮(わい)軍の旧式将領から軽視されてきたため,袁に恩義を感じて忠誠に励むこととなった。…
※「段祺瑞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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