毒クラゲ(読み)どくくらげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「毒クラゲ」の意味・わかりやすい解説

毒クラゲ
どくくらげ

腔腸(こうちょう)動物の刺胞毒をもつクラゲのこと。人がクラゲに刺されて痛みを感ずることはよく知られたことであるが、これは、クラゲの体内に刺胞という小さな構造物が多数あり、これらの発射によって、その中に含まれている毒液が人の体内に注射されることによっておこる。刺胞はすべてのクラゲに存在し、一般にクラゲの主要な餌(えさ)となっている動物プランクトンなどを捕まえるときにこの刺胞が用いられる。刺胞毒は高分子のタンパク質であるが、その化学構造はかならずしもまだよくはわかっていない。これらの刺胞毒は人間に対してはまったく感じられないか、あるいは軽いひりひりした感じを与えるような場合が大部分であるが、いくつかの種類のクラゲではその毒は強く、ときには皮膚の刺された部分が赤く焼けただれたようになったり、また発熱したりする。刺胞毒は一般に神経に強く作用し、呼吸中枢や循環中枢などを麻痺(まひ)させ、ときには溶血をもおこす。敏感な人や幼児などでは死に至ることもある。刺されたときの措置としては、ただちに身体からそのクラゲの触手などすべてを取り除き、アルコールなどでふき、さらに抗ヒスタミン剤などを内用・外用し、一刻も早く医師の手当てを受けることである。強い刺胞毒をもつクラゲとして、日本ではカツオノエボシ、キタカギノテクラゲ、アンドンクラゲ、ヒクラゲ、ハブクラゲ、アマクサクラゲ、アカクラゲなどが知られている。

[山田真弓]


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