毒消売(読み)どくけしうり

世界大百科事典 第2版の解説

どくけしうり【毒消売】

毒消丸を売る薬の行商。〈どっけしうり〉ともいう。毒消丸という食傷(胃腸障害),腹痛の売薬は,京都,薩摩(鹿児島),肥後(熊本)など各地にあったが,一般に売薬行商の毒消売といえば越後(新潟)のそれを指す。紺絣の筒袖・脚絆姿の女性の売子で親しまれてきた。当初は男性のしごとだったが,明治に入ってから女性の進出が目だつようになり,未婚女性の半年以上にもわたる長期の,しかも遠隔地への出稼行商だった。越後の毒消丸は新潟市の南西約15kmの西蒲原郡巻町を中心に製造された。

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世界大百科事典内の毒消売の言及

【行商】より

…商品をもち歩き小売する商業,またその人(行商人)。市や商店の利用が未発達な時代や地方に行われてきた。
[日本]
 近距離間を往来する小規模な呼売,振売に対し,近江商人伊勢商人,富山の薬売,越後の毒消し売のような全国的に足跡をのこした大規模なものもあった。行商人をタベトと呼ぶ地方が日本海沿岸に多いのは,旅が交易を求める〈給(たま)え〉に由来することと関係があろう。生産事情を異にする地域,とくに沿海漁村と農・山村間の物資の交易は,行商発生の基本的要因である。…

※「毒消売」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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