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比較生理学 ヒカクセイリガク

デジタル大辞泉の解説

ひかく‐せいりがく【比較生理学】

各種の生物あるいは器官での生理機能を比較し、系統による分化変異を研究する生理学の一分野。

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大辞林 第三版の解説

ひかくせいりがく【比較生理学】

生理学の一分科。各種の生物の生理現象を比較研究することにより、生理学上の一般法則を明らかにする学問。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

比較生理学
ひかくせいりがく
comparative physiology

生物の個体や部分の機能を、生物界を構成するさまざまな生物種にわたって比較研究する学問をいう。生物に共通した生理機能の解明を目ざす一般生理学と対(つい)をなす概念であるが、一般生理学と比較生理学とは、生理学の異なる分野をさすものというよりは、研究上の立場、方法論による区別と理解すべきものである。すなわち、前者の方法がより演繹(えんえき)的であるのに対し、後者はより帰納的な性格をもつ。
 比較生理学の研究では、対象とする生理機能が生物の種類により、さらには生物の系統上の位置に従って、どう変化するかに注目する。このため、比較生理学の研究によって、生理機能の進化について考えるうえで重要な知識が得られる。さらに、比較生理学の知識は、生物の系統進化の研究に有用である。
 比較生理学の研究が盛んになったのは、19世紀以降のことである。J・P・ミュラーは、「生理学は比較に基づかねばならぬ」と唱え、比較生理学の基礎を築いた。その後の比較生理学の研究は、おもに動物生理学者によって進められ、原生動物、無脊椎(むせきつい)動物、脊椎動物にわたる動物が研究対象とされてきた。1924年には動物学者のK・v・フリッシュとキューンによって『比較生理学雑誌』Zeitschrift fr vergleichende Physiologie(1972年以降The Journal of Comparative Physiologyという英名に改称)が創刊され、比較生理学は隆盛期を迎えた。現在の比較生理学は、比較生化学や比較薬理学など、生化学的あるいは薬理学的な側面からの研究と密接に関連した学問領域を形成している。国際的な研究連絡組織として、国際生物科学連合International Union of Biological Sciencesのなかに比較生理生化学部門が設けられ、1984年以来、3、4年ごとに国際会議を開催している。わが国からは、日本動物生理学会がこの部門に加入して活動を行っている。[高橋景一]

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