気体レーザー(読み)キタイレーザー(英語表記)gas laser

デジタル大辞泉 「気体レーザー」の意味・読み・例文・類語

きたい‐レーザー【気体レーザー】

誘導放出を起こす媒体として気体を用いるレーザー。気体の原子分子などを管内などに封入して励起する。赤外線を発する炭酸ガスレーザー、短波長の可視光および紫外線を発するエキシマレーザーほかヘリウムネオンレーザーアルゴンレーザーなどがある。ガスレーザー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「気体レーザー」の意味・わかりやすい解説

気体レーザー
きたいレーザー
gas laser

動作物質として気体を使ったレーザー。低圧気体放電では特定準位の間で負の温度が起ることがあり,これを利用して気体レーザーが可能となる。発振に寄与する準位がイオンの場合にはイオンレーザーと呼ばれる。近紫外から遠赤外にわたる 2000本以上のスペクトル線についてレーザー発振が報告されている。遠赤外で大出力の炭酸ガスレーザー,可視光で大出力のアルゴンイオンレーザー,可干渉性のよいヘリウム-ネオンレーザーなどが有名。可干渉性のよいことを利用して,ホログラフィー,精密な干渉実験に使われ,また,集光性がよく大出力の炭酸ガスレーザーは微細部の溶接裁断穿孔などの加工に用いられる。気体レーザーは単色性がよく,出力が大きいので散乱実験の光源としてもすぐれている。

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化学辞典 第2版 「気体レーザー」の解説

気体レーザー
キタイレーザー
gas laser

レーザー作用をする活性物質に気体を用いるレーザー.負温度を出現させるためには,おもに放電が用いられ,そのほか化学反応によるものなどがある.ArやKrの気相イオンを活性物質として用いる希ガスイオンレーザー,あるいは Hg,Cd などのイオンを用いるイオンレーザー,He-Neの混合ガスを用いるHe-Neレーザー,窒素ガスを用いる窒素レーザー二酸化炭素を用いる炭酸ガスレーザーなどが有名であるが,そのほかにも数多くの種類がある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の気体レーザーの言及

【レーザー】より

…p‐n接合型の半導体レーザーの場合には接合面を通して電流を流すことでレーザー発振を起こすことができる。気体レーザーの励起の手段としては,このほかに高速の電子線を照射する方法,化学反応を利用する方法,断熱膨張を利用する方法などが試みられている。 2枚の鏡を用いた標準的な共振器のほかに,単一縦モードを選びだすための複合型共振器,往復の光が干渉してできる定常波構造をさけるため3枚以上の鏡と光単行器とを用い,光を一定の方向にのみまわすリング型共振器などが使われる。…

※「気体レーザー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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