都道府県警察は、海、空を含む都道府県の区域全域について治安維持の責務を担っているが、海、河川、湖沼等の水上において行われる警察業務をとくに水上警察と呼称し、警察庁地域課が指導調整している。水上警察制度は、1877年(明治10)2月の河海警察規則の制定および東京警視本署(警視庁)の河海警察仮出張所の設置に始まり、同年8月、河海警察が水上警察と改称され、さらに1879年10月、水上警察所が廃止され、水上警察署が設置されてその確立をみ、現在に至っている。
ただし、このような水上警察活動に特化した警察署としての水上警察署は、全国的に2005年ころから警察署の再編に伴う陸上の警察署との統合等が進められた結果、その数が減少している。警視庁水上警察署も、2008年(平成20)に警視庁東京湾岸警察署に置き換わった。
2010年時点では、全国で水上警察署4署、臨港警察署3署をはじめ、主要な港湾、離島、河川、湖沼等を管轄する122警察署等に警察船舶198隻が配備され、パトロール等による警戒、警備活動や各種事件、事故の検挙、取締りにあたるとともに、訪船等による安全指導を行っている。
[宮越 極]
海上・河川上等,水上を管轄して営まれる警察作用。通常は,とくに都道府県警察の行う警察作用としてのものをさす。陸上の警察と異なる権限を持つわけではないが,その活動区域の特殊性から,密貿易・密出入国等の捜査や取締りに重点がおかれるなど,取締対象等の点で特徴がみられる。都道府県警察は必要に応じて水上警察署を置き(1984年10月末現在,東京・横浜等全国で8署),警備艇を用いて主として海港内外で活動している。水上警察においては,海上保安庁と権限上競合する部分があり,両者間の協定に基づいて業務調整が図られている。東京では1877年に〈河海警察仮出張所〉が南品川等4ヵ所に設けられたのが最初であり,79年には京橋に水上警察署が設置された。
執筆者:黒田 満
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