水谷不倒(読み)ミズタニフトウ

デジタル大辞泉 「水谷不倒」の意味・読み・例文・類語

みずたに‐ふとう〔みづたにフタウ〕【水谷不倒】

[1858~1943]国文学者。愛知の生まれ。本名、弓彦。東京専門学校卒。近世文学研究の先駆的存在著作に「近世列伝体小説史」「草双紙と読本の研究」「絵入浄瑠璃史」など。

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20世紀日本人名事典 「水谷不倒」の解説

水谷 不倒
ミズタニ フトウ

明治〜昭和期の国文学者,小説



生年
安政5年11月15日(1858年)

没年
昭和18(1943)年6月21日

出生地
尾張国名古屋長者町(現・愛知県名古屋市)

本名
水谷 弓彦

学歴〔年〕
東京専門学校(現・早稲田大学)英語部〔明治27年〕卒

経歴
尾張の国学者水谷民彦の六男として生まれる。明治元年東京に出て陸軍教導団に入り、21年歩兵曹長を最後に除隊。東京専門学校で近松を中心とする近世文学を学び、卒業後「錆刀」「薄唇」「めなしちご」などの小説を発表する傍ら、「続帝国文庫」の浄瑠璃、脚本類の校訂に携わる。32〜38年大阪毎日新聞記者を務め、40年精華書院に入社、「独逸語学雑誌」「初等独逸語研究」等多くのドイツ語雑誌を発行。大正8年「独逸語学雑誌」1月号を最後に雑誌編集から手を引き、以後近世文学の研究に没頭。精細な実証研究で知られ、近世文学研究の先駆者とされる。著書に「列伝体小説史」「西鶴本」「草双紙読本の研究」「明治大正古書価の研究」「枯野の真葛」、「水谷不倒著書集」(全8巻 中央公論社)などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「水谷不倒」の解説

水谷不倒 みずたに-ふとう

1858-1943 明治-昭和時代前期の国文学者。
安政5年11月15日生まれ。水谷民彦の子。坪内逍遥(つぼうち-しょうよう)に師事し,小説「錆刀(さびがたな)」などを発表。大阪毎日新聞社にはいり,明治38年退社して近世文学研究に専念した。昭和18年6月21日死去。86歳。尾張(おわり)(愛知県)出身。東京専門学校(現早大)卒。本名は弓彦。著作に「近世列伝体小説史」「草双紙と読本の研究」など。

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