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池田小児童殺傷 いけだしょうじどうさっしょう

知恵蔵の解説

池田小児童殺傷

2001年6月8日、大阪教育大学付属池田小学校に包丁2本を持った宅間守・元死刑囚(当時37)が侵入、8人の児童を殺害、15人に重軽傷を負わせた。犯行の動機について、検察側は冒頭陳述で、被告が離婚した元妻や自分を勘当した父親への恨みを社会に向けて、「めちゃくちゃやってやろう」と不特定多数の人の殺害を考えた、と指摘。弁護側は「極度に追い詰められた心境下で、物事の善悪を判断する能力を一時的に失っていたか、著しく衰えた状況のもとで犯行に及んだ疑いがある」と述べた。大阪地裁は03年8月、犯行時の責任能力を認めて、被告に求刑通り死刑を言い渡した。同年9月、弁護団の控訴を被告が取り下げ、死刑判決が確定、1年後の04年9月に異例の早さで刑が執行された。事件が社会に与えた衝撃の大きさは、学校の安全や危機管理を根本的に考え直すよう迫った。元死刑囚が1999年春に勤め先の小学校で薬物混入事件を起こした際に、「統合失調症(精神分裂病)」と診断されて起訴されずに措置入院となったことなどから、重大犯罪を引き起こした精神障害者の処遇についての論議を高めるきっかけともなった。政府は02年の通常国会に、殺人や放火など重い罪に当たる行為をしながら、心神喪失などで罪に問われなかった人たちの扱いを定める新たな法案を提出、03年7月、心神喪失者医療観察法が成立した。05年5月、大阪教育大学は重傷児童8人の保護者と、心的外傷後ストレス障害(PTSD)への補償を盛り込むことなどで合意した。死亡した児童のうち、当時2年生だった7人に06年3月、卒業証書が贈られた。

(緒方健二 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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