池辺寺跡(読み)ちへんじあと

国指定史跡ガイドの解説


熊本県熊本市池上町にある寺院跡。市の西部に聳える標高665mの金峰山から南東へと延びる支脈が、裾野を広げて達する平野部との境近く、標高130~140mの斜面に所在する。建物群は、斜面を造成した平坦面の中央に、段状に築いた南北約22m、東西約18mの乱石積み基壇の上に配置。中央建物とその東・南・北面を取り囲む3棟の建物と3棟を結ぶ回廊からなり、中央建物の基壇が最も高く、それより北・南面建物基壇は0.35m、東面建物および回廊の基壇は約1m低い。出土遺物には土師器(はじき)、瓦、石製品などがあるが、土師器は9世紀前半代から10世紀にかけてのもので、瓦には単弁九弁蓮華文軒丸瓦(のきまるがわら)・唐草文軒平瓦など9世紀前半ごろのものが含まれている。石塔群からは、宝珠数点を含む凝灰岩製ないし砂岩製の相輪(そうりん)が出土。この寺跡は山中に営まれた数多くの古代寺院のなかでも、際だった独自性をみせていることから貴重とされ、1997年(平成9)に国の史跡に指定された。JR鹿児島本線ほか熊本駅から産交バス「池の上」下車、徒歩約30分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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