池野 成一郎(読み)イケノ セイイチロウ

20世紀日本人名事典 「池野 成一郎」の解説

池野 成一郎
イケノ セイイチロウ

明治〜昭和期の植物学者,遺伝学者 東京帝国大学農科大学教授。



生年
慶応2年5月(1866年)

没年
昭和18(1943)年10月4日

出生地
東京

学歴〔年〕
東京帝国大学植物学科〔明治23年〕卒

学位〔年〕
理学博士〔明治43年〕

経歴
明治24年東京帝大農科大学助教授、39年ドイツ、フランスに留学、42年帰国して教授となった。43年理学博士。植物分類学、遺伝学の権威で、29年「植物学雑誌」に発表された「ソテツの精子発見」で世界的に知られるようになった。これにより高等隠花植物であるシダ類と裸子植物との親縁関係が明らかになった。また同時に生毛体と中心体の相同問題が起こり、池野両者の相同を主張、後に立証された。トウガラシの細胞質遺伝、オオバコなどの遺伝を明らかにし、特に同義遺伝子の研究が知られる。さらにタンポポイネヤナギなど多くの植物の細胞学的、遺伝学的研究がある。著書に「実験遺伝学」「植物系統学」、大冊の論文集「池野博士論文集」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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