共同通信ニュース用語解説 「津波防災地域づくり法」の解説
津波防災地域づくり法
東日本大震災を教訓として2011年12月に施行された。堤防整備などのハード事業と、避難訓練の実施などのソフト対策を強化し、減災につなげるのが目的。都道府県知事は、最大クラスの津波が悪条件下で発生するとの前提で浸水想定を策定する。2日時点で、浸水の恐れがある40都道府県のうち東京都を除く39道府県が公表を終えている。
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東日本大震災を教訓として2011年12月に施行された。堤防整備などのハード事業と、避難訓練の実施などのソフト対策を強化し、減災につなげるのが目的。都道府県知事は、最大クラスの津波が悪条件下で発生するとの前提で浸水想定を策定する。2日時点で、浸水の恐れがある40都道府県のうち東京都を除く39道府県が公表を終えている。
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津波に強い地域づくりを地方自治体が進めやすくする法律。甚大な被害がでた東日本大震災の教訓を踏まえ、2011年(平成23)12月に施行(全面施行は2012年6月)された。正式名称は「津波防災地域づくりに関する法律」。平成23年法律第123号。国土交通省が想定する最大津波高(満潮時の巨大津波の最大の高さ)などに基づき、都道府県知事が浸水のおそれのある地域と想定水深(津波浸水想定)を公表。これを踏まえ、各市町村が津波に強い地域づくりの推進計画を策定する。
都道府県知事は津波被害の想定される危険地域を「津波災害警戒区域」(イエローゾーン)に指定。区域内の自治体にはハザードマップの作成を、区域内の病院、社会福祉施設、学校、地下街などには避難計画策定や避難訓練実施をそれぞれ義務づける。さらに住民の生命・身体の危険がある地域を都道府県知事が「津波災害特別警戒区域」(オレンジゾーン、レッドゾーン)に指定し、住民に移転勧告できる。同区域内では、市町村が条例で住民や建設業者の建築・開発行為を制限できるほか、病院など自力で避難できない人(要介護者)が集まる施設において、病室等の居室の床の高さを想定津波高よりも高くするよう求める。このほか市町村長は、盛り土などで造成した高台に、住宅、学校、病院などを一括して整備可能な「津波防災住宅等建設区」を創設できる。また、自治体は津波が起きた際に住民が逃げ込む高層建築物(避難ビル、避難タワー)を指定し、管理協定を結ぶことができる。さらに国は、高層建築物に限って建築基準法の容積率を緩和する特例措置を認める。これにより容積率が上限に達した建物でも、自治体の判断で防災用備蓄倉庫や自家発電設備を増設できるようになる。また津波被害は広域に及ぶため、従来市町村が行ってきた集団移転促進事業計画の作成を都道府県にもできるように改めた。
[編集部 2015年12月14日]
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