デジタル大辞泉 「浮かす」の意味・読み・例文・類語 うか・す【浮かす】 [動サ五(四)]1 浮くようにする。浮かべる。「グラスに氷を―・す」2 固定させず、不安定な感じや状態にする。「腰を―・す」3 経費・時間などの使い方を工夫して余りが出るようにする。切り詰めて余りを出す。「宿泊費を―・す」4 沈んだ気持ちを引き立てて陽気にする。浮き立たせる。「ちと踊り念仏を始めて、きゃつを―・いてやらう」〈虎寛狂・宗論〉[類語]残す・余す・余る・余りある・有り余る・だぶつく・繰り越す 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「浮かす」の意味・読み・例文・類語 うか・す【浮】 [ 1 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙① 物の表面に浮くようにする。浮かべる。[初出の実例]「同じ殿の池水に、業遠がいかだのかたつくりてうかしたりしを見て」(出典:榊原本赤染衛門集(11C中))② 沈んだ気持をひきたてて陽気にする。浮き立たせる。[初出の実例]「ちと踊り念仏を初て、きゃつをうかいてやらう」(出典:虎寛本狂言・宗論(室町末‐近世初))③ 水中や空中に浮いて物に固着しない状態にする。うわついて不安定な感じや状態にする。[初出の実例]「神木の釘に木挽の歯をうかし」(出典:雑俳・柳多留‐七三(1821))「高柳君は腰を半分浮かして拍手をした」(出典:野分(1907)〈夏目漱石〉一一)④ 体内の毒などの働きを弱める。[初出の実例]「其毒を浮(ウカ)さんとて人参附子を頻に用ゆ」(出典:洒落本・不仁野夫鑑(1787))⑤ 金銭や時間に余りが出るようにする。[初出の実例]「せめて其の十五円だけも浮(ウカ)したら宜しう御座いませう」(出典:落語・素人鰻(1891)〈三代目三遊亭円遊〉)⑥ 物をもらう。また、与える。もと芝居者の用語で、江戸時代、文化・文政(一八〇四‐三〇)期の流行語。[初出の実例]「蛍ほどの小玉(つゆがね)もめったにうかさぬ爪長(きまりて)」(出典:洒落本・窃潜妻(1807)上)[ 2 ] 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙 ⇒うかせる(浮) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例