残す(読み)ノコス

デジタル大辞泉 「残す」の意味・読み・例文・類語

のこ・す【残す/▽遺す】

[動サ五(四)]
1 あとにとどめておく。残るようにする。「放課後まで生徒を―・す」「メモを―・して帰る」
2 もとのままにしておく。「昔の面影を―・す」「武蔵野の自然を―・す地区」
3 全体のうちの一部などに手をつけないでおく。「食べきれずに―・す」「電車賃だけは―・す」
4 消さないでそのままにしておく。「証拠を―・す」「誤解を―・す」
5 後世に伝える。死後にとどめる。「偉大な足跡を―・す」「名を―・す」
6 ためこむ。「小金こがねを―・す」
7 相撲で、相手の攻めに対して踏みこらえる。「土俵際で―・す」
[可能]のこせる
[類語](1)留とどめる・残置する・伝える/(2)保存する・温存する・存置する/(3)余す・余る・浮かす・余りある・有り余る・だぶつく・繰り越す・優に・十分・たっぷり・たくさん・たんと・ごまんと・わんさと・うんと・ふんだん・なみなみ・一杯・しっかり・がっつり・思い切り・思う存分・どっさり・夥おびただしい・多く・数数かずかず・多数・数多すうた・無数・多量・大量・大勢おおぜい・大挙・多勢・多人数・大人数・衆人・莫大ばくだい・膨大・巨万・豊か・潤沢・無尽蔵・山ほど・盛り沢山・がっぽり・がっぽがっぽ・多め・幾多・過多・最多・多作・あまた・多多・いくらも・いくらでも・ざらに・ごろごろ・十二分に・豊富に・腐るほど・しこたま・たんまり・仰山ぎょうさん・数知れない・数知れぬ・数え切れない・十指に余る・枚挙にいとまがない・掃いて捨てるほど・諸もろもろ・広い・幅広い・手広い・広範・広範囲・多方面・多角・多面・多岐・様様・各種・種種しゅじゅ・諸種・いろいろ・多様・多様化・多面的・多種・多種多様・多彩・いろんな・とりどり・色とりどり・百般・万般・諸般・多元・多元的・多角的・横断的・複眼的・おしなべて・全般に・一般・総じて・概して・おおむね・大概・普通・通例・通常・一体に・総体・およそ・遍あまねく・雑多・万よろず・各人各様・十人十色・千差万別・マルチ・事事物物・種種雑多・各様・種種くさぐさ・玉石混淆こんこう・凡百ぼんぴゃく・百態・百事・百千・万端・各般・数次・幾度・等等・諸相・諸物・あれこれ・何やかや・何だかんだ・何のかの・何くれ・何くれとなく・あれやこれや・ごちゃごちゃ・あの手この手・エトセトラ・百もも・億万・千万・千万無量・うようよ・うじゃうじゃ・蝟集いしゅう・無尽・雲霞うんか・星の数ほど・浩瀚こうかん・少なからず・山積み・山積・飽和・満満・ごっそり・大半・累積・山をなす・十重二十重とえはたえ・ばっちり・存分・遺憾なく・フル・至れり尽くせり・有余・余裕・足りる・千度・大分・大層・すこぶる・みっちり・みっしり・満点・万万ばんばん・徹底的・軽く・楽に・余裕綽綽しゃくしゃく・たやすく・それなりに

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精選版 日本国語大辞典 「残す」の意味・読み・例文・類語

のこ・す【残・遺】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. ①
    1. (イ) 一部分をあとにとどめておく。なくさないようにする。
      1. [初出の実例]「我が背子が帰り来まさむ時のため命能己佐(ノコサ)む忘れたまふな」(出典:万葉集(8C後)五・三七七四)
      2. 「御かたみにとて、かかるようもやとのこし給へりける御さうぞくひとくだり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
    2. (ロ) 他の者が去ったあと、一部の者をそこにとどめておく。
      1. [初出の実例]「二人はめしかへされて都へのぼりぬ。いま一人はのこされて」(出典:平家物語(13C前)三)
  3. ②
    1. (イ) 人が立ち去ったあと、また、死んだ後にとどめておく。後世に伝える。
      1. [初出の実例]「時じくの 香(かく)の木の実を 畏くも 能許之(ノコシ)たまへれ」(出典:万葉集(8C後)一八・四一一一)
    2. (ロ) 事のすんだあとも消えずにあるようにする。
      1. [初出の実例]「ちりぬともかをだにのこせ梅花こひしき時の思ひいでにせん〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)一・四八)
  4. ③ 言わずにとっておく。隠しておく。
    1. [初出の実例]「など、かく思す事あるにては、今まで、のこい給ひつらむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)柏木)
  5. ④ ある範囲や期限までに、なお余地や余裕をもつ。また、気持に余裕をもつこともいう。「あと五日を残すのみ」
    1. [初出の実例]「後ろは羽目板の間を二尺遺して吾輩の鮑貝の所在地である」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五)
  6. ⑤ 囲碁で、終局して互いの地を数えあったとき、相手より何目か勝っている。あます。
  7. ⑥ 相撲で、相手の攻めに対し土俵ぎわで踏みこらえる。
    1. [初出の実例]「駒ははたいたが、太刀はよく残してつけ入り」(出典:相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉常陸、梅の爛熟時代)

残すの補助注記

「何かおもひ残する事もなし」〔浮・西鶴諸国はなし(1685)三〕のように、連体形に「残する」を用いる例が西鶴の作品に見られる。

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