「船舶職員及び小型船舶操縦者法」(昭和26年法律第149号)に基づき、船舶職員になろうとする者が国家試験に合格し、所定の講習を修了して、海技士の免許を与えられたときに交付される免状。2002年(平成14)の法改正により、海技免状と小型船舶操縦免許証とは区分されるようになった。
海技士の免許には、一級から六級海技士(航海)、一級から六級海技士(機関)、一級から三級海技士(通信)、一級から四級海技士(電子通信)の資格がある。海技士(航海)は航行区域および船舶の大きさ、また海技士(機関)は航行区域および推進機関の出力の区分ごとに、それぞれ乗船履歴に応じて、船舶において行うことのできる船舶職員の職位は限定される。国土交通大臣の登録を受けた船舶職員養成施設の課程修了者は、学科試験の全部または一部が免除される。一般には、所定の年数、船員として従事したのちに、受験資格が発生する。また、上級の資格を得るには、下級の資格での所定の乗船履歴が必要となるが、一定の乗船履歴があれば学科試験の一部が免除される。
なお、小型船舶操縦士には小型船舶操縦免許証が交付され、一級、二級、特殊小型船舶操縦士の免許区分がある。
[篠原陽一]
海技従事者の免許資格を証するもので,日本では〈船舶職員法〉の定めるところに従って,運輸大臣が行う国家試験に合格し海技資格の免許を申請した者に交付される。資格は海技士(航海),海技士(機関),海技士(通信),海技士(電子通信),小型船舶操縦士に区分され,さらに航海,機関は1~6級,通信は1~3級,電子通信は1~4級,小型船舶操縦士は1~4級の別がある。船舶に乗り組む船舶職員(船長,航海士,機関長,機関士,通信長,通信士)の資格,員数は,船舶の用途,航行区域,大きさ,推進機関の出力などによって政令で定められている。免許は取り消されない限り終身有効であるが,免状の有効期間は5年間であり,満了の際,身体適性,乗船履歴などが所定の基準を満たしていれば申請によって更新される。日本の海技免状制度は〈西洋型船船長運転手及び機関手試験免状規則〉(1896)から始まった。
執筆者:平井 顕
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