船舶職員の一職種であり、船長に昇進しうる。船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和26年法律149号)に基づく国家試験に合格して、海技免状を取得する必要がある。最近の大型外航船では法定定員どおりの3人が乗り組んでおり、職掌として一等航海士は船長の命を受けて、主管者として甲板部乗組員を指揮監督し、船長不在の場合その職務を代行し、船内の秩序風紀を維持し、貨物の受け渡しを担当する。二等航海士は現場の指揮監督にあたり、操舵(そうだ)装置、航海計器、航海・水路・気象情報を担当する。三等航海士は航海用具、水路図誌、航海日誌を担当する。航海中の日常職務として、毎日午前・午後、一等航海士は4~8時、二等航海士は0~4時、三等航海士は8~12時の時間帯に船橋当直に立つ。なお、船舶には船長、航海士以外に、船舶職員として、機関長、一等・二等・三等機関士、通信長(士)、ときには事務長(員)や船医が乗り組んでいる。
[篠原陽一]
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