航海士(読み)コウカイシ

デジタル大辞泉 「航海士」の意味・読み・例文・類語

こうかい‐し〔カウカイ‐〕【航海士】

船舶職員の一。国家試験に合格し、海技免状を取得した者。甲板部乗組員指揮監督航海に関する職務を遂行する。

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精選版 日本国語大辞典 「航海士」の意味・読み・例文・類語

こうかい‐しカウカイ‥【航海士】

  1. 〘 名詞 〙 船の方位測定、乗組員の指揮、荷役の監督などを行なう船舶職員
    1. [初出の実例]「航海士(カウカイシ)や分隊士、小主計や小軍医」(出典別天地(1903)〈国木田独歩〉下)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「航海士」の意味・わかりやすい解説

航海士
こうかいし

船舶職員の一職種であり、船長に昇進しうる。船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和26年法律149号)に基づく国家試験に合格して、海技免状を取得する必要がある。最近の大型外航船では法定定員どおりの3人が乗り組んでおり、職掌として一等航海士は船長の命を受けて、主管者として甲板部乗組員を指揮監督し、船長不在の場合その職務を代行し、船内の秩序風紀を維持し、貨物の受け渡しを担当する。二等航海士は現場の指揮監督にあたり、操舵(そうだ)装置、航海計器、航海・水路・気象情報を担当する。三等航海士は航海用具、水路図誌、航海日誌を担当する。航海中の日常職務として、毎日午前・午後、一等航海士は4~8時、二等航海士は0~4時、三等航海士は8~12時の時間帯に船橋当直に立つ。なお、船舶には船長、航海士以外に、船舶職員として、機関長、一等・二等・三等機関士、通信長(士)、ときには事務長(員)や船医が乗り組んでいる。

[篠原陽一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「航海士」の意味・わかりやすい解説

航海士
こうかいし
officer; mate

船長を助けて船舶運航の一般業務を担当する船員で,航海士の免許をもつもの。航海士の免許は,船舶職員法 (昭和 26年法律 149号) によって定められた,海技従事者国家試験の合格者に与えられる。航海士免許は,甲,乙,丙の3種に分れ,甲,乙はさらに一等,二等の別があって,船舶のトン数,航行区域によって乗船資格が指定されている。航舶職員としての航海士のおもな船務は次のように分れる。 (1) 一等航海士 chief officer 部下を指揮して船内の秩序,規律の維持,安全管理,危害防止,荷役の指揮,船体の保存整備,人事管理,船内各部との連絡,出入港の手続,航海日誌の整理。 (2) 二等航海士 second officer 一等航海士の命を受けて,船位の測定,海図,水路図誌,航海要具の保守,気象,海象資料作成,舵,操舵装置の保守,船倉の荷役監督,郵便物受渡し。 (3) 三等航海士 third officer 上級航海士の補佐。

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百科事典マイペディア 「航海士」の意味・わかりやすい解説

航海士【こうかいし】

船舶に乗り組む職員の資格の一つ。現在の船舶職員法では海技士(航海)と呼ばれ,一級から六級の別があって,船の大きさ,航行海域により乗船が限定される。
→関連項目船員

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