陸上での警備や戦闘に従事する海軍部隊。陸戦隊と略称。日本海軍は戦時・事変に際して居留民保護や局地の暫時占領などの必要があるとき,所在の艦船乗員で臨時に陸戦隊を編制し陸上に派遣した。昭和期になって常時編制の陸戦隊が必要になると,1932年(昭和7)海軍特別陸戦隊を,37年特設鎮守府陸戦隊を創設。前者には上海海軍特別陸戦隊の例が,後者には太平洋戦争でセレベス島(現,スラウェシ島)のメナドに落下傘降下した横須賀鎮守府第1特別陸戦隊などの例がある。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
旧日本海軍における陸上戦闘部隊。日本の権益の保護や上陸戦闘、要地の占領などにあたる。各艦船の乗員によって編制されるもののほか、固有の任務をもった特別陸戦隊や連合特別陸戦隊があった。1900年(明治33)の北清(ほくしん)事変(義和団事件)や第一次世界大戦の青島(チンタオ)攻略戦、32年(昭和7)の上海(シャンハイ)事変などに出動し、とくに上海事変では、中国軍との間に激烈な市街戦を展開して有名となった。
[吉田 裕]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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