湘君(読み)ショウクン

デジタル大辞泉 「湘君」の意味・読み・例文・類語

しょう‐くん〔シヤウ‐〕【湘君】

中国湘江伝説上の女神ぎょう帝の二人の娘で、姉を娥皇・妹を女英といい、共にの妃となったが、舜が没すると、悲しんで湘江に身を投げて水神となったという。

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精選版 日本国語大辞典 「湘君」の意味・読み・例文・類語

しょう‐くんシャウ‥【湘君】

  1. 湖水の女神。古代中国で、堯帝の娘娥皇が、妹の女英と共に舜に嫁し、舜の没後湘水に身を投じたという伝説からいう。〔史記‐秦始皇本紀〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湘君」の意味・わかりやすい解説

湘君
しょうくん

中国の古代神話に登場する女神。洞庭湖に注ぎ込む湘水の神。堯帝(ぎょうてい)は中国南方を視察中、湘水の上流蒼梧(そうご)の野で死んだが、そのとき付き従っていた2人の妃(きさき)の娥皇(がこう)と女英(じょえい)はこれを悲しんで湘水に投身し、水の神になったと伝えられる。これが湘君で、戦国時代の南方の歌謡を収録した『楚辞(そじ)』の「九歌」には、湘君を祀(まつ)るときに歌った歌謡が残されており、湘君の信仰が古くから行われていたことがわかる。また『史記』には、始皇帝と湘君との抗争伝承が記されている。中国を統一した始皇帝が各地を巡遊中、洞庭湖の付近で揚子江(ようすこう)を渡ろうとしたが、大風にあって渡河できなかった。それが湘君のしわざであることを知った始皇帝は激怒し、3000人を動員して、湘君が鎮座する湘山の樹木を1本残らず切り尽くし、山を赤裸にしてしまったという。

[伊藤清司]

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普及版 字通 「湘君」の読み・字形・画数・意味

【湘君】しよう(しやう)くん

湘水の神。唐・李白〔族叔刑部侍郎、及び中書賈舎人至に陪し、洞庭に遊ぶ、五首、一〕詩 日ちて、長沙、秋色し 知らず、何(いづ)れの處にか、湘君を弔はん

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百科事典マイペディア 「湘君」の意味・わかりやすい解説

湘君【しょうくん】

中国神話の水神。天帝の娘。湘夫人とともに湘水(湖南省)に住み,2神が出入するたびに風雨波浪を起こすという。のち舜に嫁した尭(ぎょう)の娘娥皇・女英とされ,舜の没した時,後を追って湘水で死んだと伝えられる。

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