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長沙 チョウサ

百科事典マイペディアの解説

長沙【ちょうさ】

中国,湖南省の省都。湘江下流の右岸にあり,京広鉄路(北京〜広州)に沿う。交通・経済・教育文化の中心で,米の取引は〈四大米市〉の一つと呼ばれるほど盛ん。木材,麻などの集散があり,紡績工業,伝統の絹織物・刺繍(ししゅう)は〈湘綉〉と呼ばれ有名。湖南大学がある。古くから国の地で,屈原の《楚辞》など,北方に対し独自の文化を誇った。解放後郊外の楚〜宋代の多数の墓が発掘され,戦国時代や漢代の木槨(もっかく)墓,後漢や宋の【せん】槨(せんかく)墓などが発見された。とくに1972年に馬王堆で発掘された漢代初期のほぼ完全な墳墓は,中国古代文化の研究にとってきわめて貴重な史料とされる。298万人(2014)。
→関連項目湖南[省]

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょうさ【長沙 Cháng shā】

中国,湖南省の省都で,省の東部湘江の下流沿岸,京広鉄道沿線にある。人口140万(1994)。省の政治・経済・文化・交通の中心地で,長沙県と望城県を管轄する。古くは青陽と呼ばれ,長江(揚子江)流域から広東に通じる最古の交通路上にあり,嶺南に対する軍事的要衝であったため長江以南で最も早くから発達した都市の一つである。春秋戦国時代を通じて楚国の地で,楚人はみずから商(殷)文化の後継者たることを誇り,周の中原文化と対抗する意識があり,独自の文化を繁栄させた。

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大辞林 第三版の解説

ちょうさ【長沙】

中国、湖南省の省都。洞庭湖の南、湘江下流の東岸に位置する。水陸交通の要地で、米・茶などの農産物の集散地。機械・化学などの工業が発達。名勝・遺跡に富み、1972年馬王堆の漢代の古墓が発掘された。チャンシャー。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

長沙
ちょうさ / チャンシャー

中国、湖南省東部、湘江(しょうこう)下流部に沿う地区級市。岳麓(がくろく)、芙蓉(ふよう)、天心、開福、雨花区の5市轄区からなり、長沙、望城、寧郷(ねいごう)の3県を管轄下に置き、瀏陽(りゅうよう)市を管轄代行する。湖南省の省政府の所在地で、長沙県の県政府も置かれている。人口583万1894、市轄区人口175万4142(2000)。秦(しん)代に臨湘(りんしょう)県とよばれ、すでに長沙郡治が置かれていた。漢代に長沙国となり、後漢(ごかん)には長沙郡に復し、隋(ずい)代に長沙県と改称した。隋・唐代には潭州(たんしゅう)の州治、明(みん)・清(しん)代は長沙府治であった。1933年県の市街地に市制施行。湘江の水運により洞庭(どうてい)湖を経て武漢(ぶかん/ウーハン)に通じるほか京広鉄道に沿う交通の要地で、行政、経済、文化の中心地でもある。解放後急速に工業も発達し総合工業都市となり、機械、紡績、食品を主とする各種工業が立地する。伝統工芸としての刺しゅう、アヒルの羽ぶとん、陶磁器が特産である。湖南大学をはじめ高等教育機関や各種研究所も置かれている。周辺は長沙県の県域で、農業は米を主とし柑橘(かんきつ)類、茶を産し、稚魚を各地に供給する。早くから長江(ちょうこう/チャンチヤン)(揚子江(ようすこう))南部の交通、軍事上の中心であって文化も開け、1972年に東郊の馬王堆(まおうたい)で発掘された漢代初期の古墓3基からは、中国古代史を解明するうえでの貴重な遺物3000点余りが発見され、考古学的に注目される都市でもある。
 長沙はまた中国革命運動史のうえからも重要な土地であり、毛沢東(もうたくとう/マオツォートン)の初期の革命活動の舞台であった。清水塘(せいすいとう)の中国共産党湘区委員会旧跡、岳麓山、湖南省立第一師範学校跡、湖南自修大学跡をはじめ多くの革命史跡が残され、それを詠んだ毛沢東の詩によって有名である。毛沢東の最初の妻で革命の犠牲となった楊開慧(ようかいけい)の墓も故郷の長沙県板倉にある。景勝地として湘江西岸の岳麓山頂の愛晩亭、湘江の中州の橘子州(きっししゅう)などがある。[河野通博]

歴史

長江中流では最古の都市で、交通・軍事上の要衝であった。古来、苗(ミャオ)族・南越に対する防衛拠点で、春秋時代には楚(そ)に属し、南方文化圏の一中心であった。漢以後の臨湘県、隋以後の長沙県にあたる。漢代の長沙国、南朝以後の湘州・潭州と長沙郡・長沙府などの首邑(しゅゆう)であった。乱世にしばしば争奪地となり、1852年太平天国軍に70余日包囲されても陥落しなかった。1927年には、一時中国共産党軍の拠点ともなった。1904年下関(しものせき)条約で開港されたが、対外貿易はあまり発展せず、むしろ奥地の工業都市として栄えている。[星 斌夫]

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